良い問題集の条件

最初にワセヨビ生のみなさん向けの業務連絡です。『日本史事始』は『日本史演習編PartI』のテキストの内容と、大部分が重複しております。解説のみ、でるとこバージョンとして書き下ろしたものです。要するに、この問題集は主にワセヨビ以外の受験生に向けて、作られたものなのです。ワセヨビのみなさんには、アチーブメント・テスト(校内模試)や、夏期講習・冬期講習などで僕が選んだ問題を、「これでもか」と言うくらいやってもらいます。そういう意味では、『あるある正誤問題』の方がお勧めです。

ところで、先日のN君とのやりとりは、さらに続きがあります。

<Nさん>
先週もメールさしてもらった立命館大学志望の大阪のものです。立命館は問題の問い方が難しいからいろんな聞かれ方を勉強するために問題集を併用した方がいいと言われました。一つは。石黒先生の本を買うつもりなんですがもう一つは何がいいかわりません。石黒先生が前に言っていた入試問題を使った本がいいと言っていたのでZ会のはじめる日本史50テーマにしようと思っています。他に何かこの問題集なら勧めててもいいというのがあるなら教えてください。

<石黒>
応用力をつけるために問題集をたくさん解くことはいいと思います。『はじめる日本史50テーマ』を買ってみることは否定しませんが、この問題集は解説がついていないので、わからない問題があった時にはどうすれば良いのか、僕にはわかりません。先日も言ったように、解説がしっかりされていることは基本だと思いますよ。

お勧めの問題集というのはなかなかないので、入試問題を扱っていて解説が丁寧なものを選んでみてください。

<Nさん>
ありがとうございます。あとブロクにいろいろ載せてもらってありがとうごさいます。解説と問題が両立してるのはなかなかないですよね。書くがわが解説を書くのはめんどくさいんですかね。史料は石黒先生ので十分ですか?

<石黒>
解説は、もちろん書くのが面倒だからです。執筆者が入試問題に精通していないために、的確な解説を書けないという理由もあるでしょうね。

史料は『どこでも史料問題』の4点セットをやれば合格ラインは十分越えます。立命館対策としては、空欄記述問題対策がカギになるでしょう。ただし、その出題にはムラがあり、定番史料ばかりの時と、未見史料が多く出される時があります。後者の場合は史料を読解し、既存の知識から解答を導きだすことになります。それができるようになるには、定番史料の学習から入って、立命館や他の大学の過去問などで未見史料問題にもチャレンジしておく必要があります。

良い問題集の条件というのは、使う人によって変わってきますが、大きく2つあると思います。

まず1つは、問題が入試問題でできていることです。もちろん、完全に入試問題そのままでなくてもかまわないのですが、執筆者が変に手を入れて、めったに出ない問題を、その執筆者の好みで追加してしまっていることがあるんです。出題率を知らない人が作るとそうなります。まあ、もっと悪いのは、逆に意外と出る問題を削除してるものなんですけどね。それは予備校で使われている教材だとしても同じことです。受験生のみなさんが知らないだけで、真実は結構ひどい状況なんです。

2つめの条件は、良い解説がついているということです。何を覚えるべきか、どういうプロセスで解くべきかが、入試の出題率にあわせてはっきり書かれているものが良い解説です。

上記の2つの条件を兼ね備えているものを見つけるのは至難の業です。もし、よさそうな問題集があったらご紹介ください。