センター試験の実績を教えていただけますか?(2)

昨日のやりとりには続きがありました。

<Xさん>
ありがとうございました。私はまだ、「○○大を受ける」なんて口にだして言えるほどの学力はありませんが、「予備校に通えば大丈夫」なんていう甘い考えをしてるつもりもありません。センター試験と私立入試は求められることが違う、という風によく聞くので、こないだの授業では早稲田の話しかなさらなかったので、センター試験対策として適当か不安になってしまっていました。ちなみに、「現役日本史(1)(2)」の通史はいつ頃終わるのですか? では、明日、申込書をだしに行きますので、これからよろしくお願いします。

<石黒>
12月の中旬に終わります。授業に沿って復習していれば、その時期に終わるので何も心配はありません。むしろ授業に付いてこられるかどうかの方が心配です。きちんと復習していた人なら、たとえ現役生でも9割や満点が獲れていますが、その逆の人たちももちろんいます。それからセンター試験と私大の出題傾向に違いについてですが、私大が細かい語句を出すのに対し、センター試験では内容や時期の理解度、さらには生活分野を問う問題が多いということです。その違いは問題演習で慣れていくべきでしょう。授業自体は言うまでもなく、センター試験対策も含んだものになっていますが、私大受験生はとかく用語暗記に走りがちで、時期や内容を軽んじている場合があるのです。そういう人はいくら私大向けの模試で高得点が獲れても、センター試験では高得点が獲れません。

センター試験には、私大ではあまり見られない、ある特徴を持った問題が出題されることがあるんです。その対策‘センターシフト’をとっておかないと、いくら早慶レベルに合格するような人でも、センター試験で高得点は獲れないのです。もっともその‘センターシフト’は、‘私立難関大シフト’よりもラクに会得できることなので、今からそんなに心配することもないでしょう。

考えても見てください。理系の受験生がセンター日本史にかける時間なんて、すごく少ないはずです。私立文系受験者の半分もかけないでしょう。それでもセンター試験で80点台をはじき出してしまうのです。まあ、それくらい合理的に勉強できなきゃ、国公立理系タイプじゃないってことなんですが。

というわけで、早慶大の入試で満点というのはめったにありませんが、センター試験なら過去に何人も満点がいます。こんな言い方もヘンですが、一般に予備校で「私大日本史」と言ったら、センター試験対策が含まれているのは当然のことです。逆に「センター日本史」と言ったら、それはあくまでもセンター試験対策の授業であって、私立文系対策には足りないものです。