入試問題にはときどき解答に苦しむものがあります。
日本の歴史と言っても、
解釈が分かれているところはたくさんあるため、
教科書や用語集や事典によって、
書かれていることが違うことがよくあるんです。
この場合は作問者の視点に立って答えを出す必要があります。
そういう問題例を授業ではよく紹介していますが、
次の問題などもその一例です。
まず、解いてみてください。
問 分国法のうち最も早い時期のものはどれか。
ア 六角氏式目 イ 結城氏新法度 ウ 塵芥集 エ 朝倉孝景十七箇条
この問題についての質問がありました。
<Iさん>
こんにちは。
早稲田大学政経の2001年の大問1の分国法の問題で1番早い時期のものを答えさせるもので朝倉孝景17箇条を答えたのですが正解は塵芥集でした。朝倉孝景17箇条は分国法ではないんですか?
<石黒>
それはどこの出版社の問題集でしょうか?
<Iさん>
駿台予備校の駿台文庫です☆
<石黒>
「朝倉孝景十七箇条は分国法ではなく、家訓だから答えにならない」
と言いたいのかもしれませんが、
一般的に大学入試問題ではそこを区別をさせる問題はありません。
素直に4つの選択肢から古いものを選べばよいと思います。
ちなみに赤本の解答も朝倉孝景十七箇条となっていました。
早稲田大学がずるいのは正解を発表しないことです。
いくら聞いても教えてくれません。
このため、各予備校から発表される解答速報が、
ズレていることがよくあるんです。
でるとこサイトでも解答速報を出していますが、
うちだけ違う解答を主張している時もあったりします。
このためderutoko.comでは、
スタッフ総動員で赤本・旺文社なども含め、
各社の解答を比較しています。
それはもちろん早稲田大学だけでなく、多くの大学を調べるんですが、
各社それぞれの特徴なんてのもあるんですよ。
ここではその良し悪しには触れませんが、
そうした環境の中で勉強しているんだということは、
知っていた方がいいと思います。
あ、オトナの方は今、思いましたね?
「そんな金にならない仕事までしてんのか!?」って。
そりゃしますよ。
そこまでしないと気がすまないタチなんです。