他の先生の授業を受けていて、このブログやでるとこサイトを見た人は、出題データをこれほど重視することに驚くようです。僕としては、自分のために日本史を研究している人ならいざ知らず、真っ向から大学受験のための講師をするなら何をおいても入試分析だと思っています。
先日、こんな質問をいただきました。
<Yさん>
先月にでるとこ日本史講義のとことん文化史を買いました。とてもよかったです!入試までプリントを何回も見直し、問題を解いて不安なとこはまた映像を見る。といった形で頑張っていこうと思います!11月あたりにアラカルトを買おうと思っています。とても楽しみです^^去年は予備校にも通わずに勉強していたのでよくわかったのですが、日本史は独学ではきつい、不可能だと実感しました。
現在通史の授業は○○先生(編注:伏せさせていただきます)に教わっています(映像授業)。自分は浪人が決まった時に敗因であった日本史に力を入れようと映像授業のみですが、色々な日本史の先生の授業を見たときに石黒先生と○○先生しか頼れないと思いました。しかし石黒先生のブログを見ていたら、他の講師に対する意見がいろいろと書いてあってとても不安になりました・・。
そこで質問なんですが、石黒先生は○○先生に対しどのような印象・意見をお持ちですか?お答えできたらorご存じでしたらでいいのでご意見をお聞かせください。
<石黒>
当方の授業を選んでくださり、ありがとうございます。
○○先生の授業は全く存じ上げないため何とも言えません。ただ、○○先生のWebサイトを拝見したところ、日本史と政経の2科目を担当されているそうで驚きました。本気で入試分析をしたら、体が2つないと足りないのではないのでしょうか。もし、Y君が『読むだけ日本史』をお持ちであれば、受講している授業内容と比較してみてください。用語だけなら過不足をチェックできるかと思います。『難関大用語集解』のDランク用語までチェックすれば、なおはっきりするでしょう。ただし、入試に沿ったポイントを突いた授業をされているかどうかは、判断しにくいかと思います。
どういうタイプの講師が良いかは、一概に言うことができません。僕は入試問題の分析を重視していますが、たとえそれを軽視していても、とにかく生徒を惹きつける人なら予備校の経営サイドは十分満足するはずです。受講生サイドにしても、その先生に惹きつけられたことで日本史が好きになれば、それで万々歳ということもあるでしょう。「あの先生に習ってなかったら日本史をこんなに好きになれませんでした」という感想は、合格体験記でよく目にしますから。
ただし、それがもっとも効率の良い受験勉強だったかといえば、そうではないだろうと思うのです。入試に出るものも出ないものもごちゃまぜで習得していくため、早慶上智レベルに達するためには相当ムダな知識まで頭に入れることになります。時間も労力もかなりかかるでしょう。ということは、日本史で高得点を取ろうとすると他教科に悪影響を与えかねません。むしろ日本史はそこそこの正解率で満足し、英語・国語で高得点を取って合格をめざす方が近道になります。これは、地方の独学受験生が難関大合格をGETするコースと同じですね。
僕の場合は、自分自身が受験に無関係なことを教えたくないのと、日本史しか教えないのに英語や国語に頼るのは筋違いだろうという考えから、入試に沿った授業をしているのです。
この話、後日につづきます。