受講生が見つけた問題集の解答マチガイ

6月2日、藤沢の授業の前に横浜そごうに行ってきました。8月に開催予定の特別講座「早慶上智プレミアム日本史」の会場の下見です。横浜そごう9階の「ミーティングルーム」で、実にきれいなところでした。机も椅子も快適で気持ちよく授業を受けてもらえそうです。3部屋中一番大きい部屋なので、机の間隔も広くてゆとりがあるんですよ。とても塾って感じじゃありません。行った時も1部屋が使用中だったのですが、中から出てきたのは思いっきりビジネスマンでした。ちょっと楽しみになってきました。

今年は藤沢の夏期講習で、僕が「早慶大日本史」を担当できなくなってしまったため、急遽設置した講座なのです。横浜方面で早慶上智クラスを狙っている人はぜひどうぞ。上智のオニの文化史問題も扱いますよ。

さて、今日はある問題集の解答マチガイについて紹介します。

<Sさん>
川越校でDVDながらお世話になっているSです。最初のアチーブメントTestでは下位ながら載らせていただきましたが2回目では撃沈してしまいました。先生がおしゃってた『DVDならでわの落とし穴』にはまってしまいました。次回のアチーブメントではなんとしても上位にくらいつきたいのでがんばりたいと思います。
本題なのですが、成城大学の文芸学部の問題で『8、9世紀の荘園は、中央の荘園領主が直接経営にあたるのが一般的であり、荘園周辺の農民と( )契約を結び、耕作にあたらせることがおおかたった。
とあるのですが、私は契約という単語に目がいき賃租契約だとおもったのですが問題集の答えは請作あるいわ請負でした。答えを聞いてもあまりピントこないので説明をお願いします。
反面、一つの土地からあがる収益に対して、得分権を有する物が幾多にも重なっていることに、荘園の特徴があった。この得分権は何かで職と答えられたのは何か僕にとって大きなきっかけになりました。
それにしても先生から情報を毎回聞いてくる先生には私もあきれました(笑)先生としてのPrideないのかなっておもいました。僕の学校は全校舎のなかで一番偏差値的には低い学校ですが頑張って下剋上をはたしたいです!下剋上ほど楽しいものはないとおもいます。

<石黒>
たぶん1992年の成城大の問題だと思いますが、旺文社は解答を「請負」としているものの、たぶん正解は「賃租」です。三省堂、東京書籍、実教出版などの教科書にも、初期荘園が「賃租」契約だったことが書いてありますから。○○大などでも選択問題で「賃租」と選ばせています。△△大では記述と正誤で2度出題しました。この成城大の問題は記述問題だったので、解答作成者が「賃租」という言葉に気づいていなかったのではないかと推測します。その問題が載っていたのは問題集でしょうか。書名をお教えください。

それからアチーブメントテストは第2回の結果こそ重要でした。本気で受講し、本気で復習した人が上位に上がってきています。そうでなかった人が、何人も振り落とされた形です。相当がんばらないと上位層にはランクインできないと思われます。奮闘してください。

ちなみに「ならでわ」「あるいわ」と書いていますが、「ならでは」「あるいは」です。国語力も養わないと合格できないので、バランスよくお願いします。

<Sさん>
ご返事ありがとうございます。問題集は○○○○の△△△△△△△で筆者は塾講師の□□□さんです。問題集はあてにならないものだなと実感しました。専修大の作問ミスみたいですね。
誤字脱字には気をつけてます。わかりました。

<石黒>
なるほど。その問題集でしたか。全体的に見ればあれでもまだ良い部類に入る問題集だったのですが……。もっとひどいのがあるので注意してください。疑問を感じたら遠慮なく質問してください。

山川出版の教科書『詳説日本史』だけを頼りにしていると、落とし穴にはまることがよくわかる例だと思います。僕の場合は教科書に精通しているわけではありませんが、無数の入試問題を解いて記録することで何がどう出るかを把握しています。もちろん上記のように、多くの教科書での記述を調べる態勢も整えてあるのです。