2011年のワセヨビの夏期講習(3)

今日紹介する方は、ワセヨビの通年授業を受けていないけれど、ワセヨビの校内模試は受験しているという少し変わった方です。いろいろな事情から、通年授業ではなく derutoko.com の映像教材などを利用して、受験日本史を習得しているのです。それでも校内模試ではかなり高い順位を獲得しているのですからたいしたものです。

その方から、奈良時代の時期区分と夏期講習についての質問をいただきました。

<Tさん>
石黒先生、こんにちは。でるとこ教材でお世話にならせていただいている、Tです。映像教材の講義の内容について今回ご質問させていただきます。
でる日講義-経済・外交史(前近代)-のdisk1の日中関係史の「4遣唐使①」の講義で、(中略)752年の大仏開眼供養で、その時の政権担当者は、藤原仲麻呂』とおっしゃっていますが、学校で習ったの時は、橘諸兄政権のときと習いました(><)学校で使っている、浜松書店の日本史の資料集「新詳日本史」をみても、橘諸兄となっています。入試で出たときにはどう対応したらよろしいのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。

<石黒>
政権が橘諸兄から藤原仲麻呂に変わるところは、はっきりとした境がありません。政権は徐々に移ったのです。一方、聖武天皇がから孝謙天皇に譲位したタイミングは749年とはっきりしています。大学入試レベルでは、この境目を橘諸兄から藤原仲麻呂に変わるタイミングと重ね合わせてしまっても困ることなく正解できます。たとえば『国史大辞典』にも「諸兄は天平勝宝元年(七四九)正一位に昇叙され、翌年には朝臣の姓を賜わったが、政治の実権は仲麻呂の手に移りつつあった。」と書かれているほどです。このため通年授業では、752年の大仏開眼供養は仲麻呂政権の時のこととして整理しています。浜島書店(浜松書店ではありませんよね?)の資料集は、橘諸兄が隠退した756年で区切っているようですが、入試でそれが出題されているわけではないのです。
アチーブメントテストの成績はかなり上位でしたが、今年は高卒生のレベルが低いので、油断なきように願います。

<Tさん>
そういうことだったんですね。わかりました^^ありがとうございます^^書店名を間違えてしまってすみませんでした(><;)
アチーブメントテストのことですが、ワセヨビには本当に苦手な古文だけ、週一で1コマだけ通わせていただいているので、まだ結果はみれていないんです(^^;)たとえ今の時点で勝っていても、追い上げてくる人は山ほどいると思うので、これからも全力で頑張ります。
夏期講習に、石黒先生の「近現代日本史」を馬場まで行ってでも、《生授業》で受けたいと思っているのですが、優待ではないので、定員がうまってしまうと思います・・・。なので、ズームインDVDでうけようか、「つな近」を買おうかいま検討中です。妹も受験生なので、家の経済面の事情もあり、なかなかわがままも言えないのが現状です。(;_;)

<石黒>
T君の場合、学校である程度近現代が進んでいるため、ワセヨビの450分だけの近現代だともの足りない可能性が高いです。ワセヨビの近現代は、2学期に通年授業を受けることを前提とした講座なのです。一方、『でる日講義−つながる近現代−』は920分あって値が張りますが、それだけ濃い内容となっています。これと同じくらいの時間数の講座が河合塾にありますが、そちらよりもお値打ちです。しかも、次の3つの長所もあります。

(1)ライブ授業だと集中していない生徒を叱咤しなければならないが、映像ではそれをしない分より深く講義ができる。
(2)わかりにくい部分は巻き戻して見られて安心な上に、時間のムダがない分、これまたより深く講義ができる。
(3)豊富な演習問題がついている上に、「個別アドバイス模試」で弱点を暴き出すことができる。

ちなみに、僕としても順調に学習が進んでいるT君を目にしながら講義をしたいところですが、それを言うなら「早慶難関大の日本史」の方が、成績上昇に大きな効果があります。また悩ませてしまいそうですが、よく考えてみてください。