もう一度授業は取るべきか

「もう1度通年授業は取ったほうがよいのでしょうか?」何人かから、この質問を受けているので、お答えします。

去年、通年授業を受けて40面ノートをつくった人は、どこの予備校で日本史を受けるにしても、もう一度、ノートをより丁寧に習得するべきだと思います。これは大前提です。

そして、もう一度通年授業を受けない場合に心配されることは、次の2点です。

1つは、ノートの単語だけが復元できても、行間を忘れていたり、もしくは去年授業を受けた時に、聞きそびれていたり、間違った理解をしていたりする可能性があることです。正しく入試の実態がわかっている人なら、「ノートだけ持っていても役に立たない」ということに気づいているはずです。板書しながら講義していた話を思い出せなきゃ意味がないのです。

2つ目は、受験生活の緊張感というか、入試へのモチベーションというか、そういったものが持続できるかどうかです。宅浪を考えている人は、ここが高いハードルになっていきます。

恐ろしいのは、この2点が克服できているかどうかが、なかなか判断できないことです。場合によっては、来年の受験の結果が出るまでわからないでしょう。よく模試の偏差値や合否判定を話題にする人がいますが、何度も言いますが、大手の模試と入試のレベルは違いますから。逆に言えば、ずっとE判定だったのに、結果は「早稲田合格!」なんて人は普通にいます。「おめでとうなみなさん」や「遺言」を読んでみてください。

通年授業を2度以上受けることは、「現役→浪人」「1浪→2浪」などのパターンで結構あることです。すべての人が必ず成績があがるわけではありませんが、遅咲きな人はたくさんいるものです。ただ、金銭的な問題や通学距離の問題があるでしょうから、「もう一度授業を受けるべきです」とは強く言えないのも事実です。

最後に、もうひとつだけ付け加えさせてください。老婆心です。今回残念だった人は、「正しい理解」に欠けている人が多いと思います。そして、いくら40面ノートが残っていても、その正しい理解をGETしないかぎり、また、すぐに壁にぶちあたってしまうでしょう。よく、授業中に「話、聞いてる?」と問いかけますが、華々しい戦果を上げた人たちは、理解度が全然違うのです。昨日、稲毛のM君に書いた返信には、「授業中、話の難しいところでもM君はよくニヤニヤしていたので、『こいつは理解するの、速いな』と思っていました。」と書きました。これが、夏までは第一志望は立教だったはずが、結局は、みごと現役で早稲田に合格した人の姿なんです。

どちらにしても甘い世界に流されないよう、1年間を送ってください。

受かった人からのメールだと、僕も安心して「すやすや」できるのですが、その逆のメールだと、どうしても心が落ち着かず、原稿をほっぽり出してまで、ブログを書きたくなってしまいます。これは、ほんとに困った問題になっています。