たぶん、どんな業界でも同じでしょうが、
その業界に精通していない人がついつい買っちゃう商品と、
その業界を知り尽くしている人が求める商品は違うと思います。
フツーの人は、いろいろ調べきったうえで買うわけではなく、
パッと見の感じや値段の安さ、さらには流行っているかどうか、
などを判断基準にして買うわけです。
だから、大量に売れるモノは、
必ずしも最高の品質のモノとは限りません。
もっとも、それを売っている人は、
業界を知り尽くしていることが多いです。
だから心の底では「ホントはこっちの方がいい商品なんだけどね」
と思ってたりするわけです。
でも利益の大きさが肝心ですから、
そんなこと口に出したりしないものです。
それに気づいてからは、お店で商品を勧められると、
本当に良いものかどうかを聞き出そうとするようになりました。
最近では、引っ越し先を選ぶのに、何軒もの不動産屋に行って、
本当にお値打ちな物件を探したのです。
賃貸マンションだったからまだ気が楽でしたが、
一軒家を買うとなったら、それこそ1年くらい探しまくらないと、
納得する買い物はできなさそうです。
同じことは受験参考書業界にもあてはまると思います。
こんなメールをいただきました。
<Sさん>
こんにちは。少し質問させて下さい。面倒だと思いますがよろしくおねがいします。いま手元にZ会実力がつく100題を持っています。(全部は終わっていません)学校でも使っている人はたくさんいます。でもこの時期にこの問題集をやるより過去問を解いたほうがいいでしょうか?先生はこの本はご存知だと思いますがこの本に対してどのような印象をお持ちでしょうか?本当に個人的な質問で申し訳ありませんがお返事いただけると嬉しいです。
<石黒>
ブログではその問題集について何度となく書いているので、
そちらをお読みいただきたいのですが、今一度説明いたします。
本来問題集は、著者自身のオリジナル問題ではなく、
実際に入試で出題された問題で構成されるべきではないでしょうか。
一人の講師(最悪の場合、一人の編集者)が作った問題なんて、
非常に偏ったわずかな知識による問題にしかなりません。
また解説は、
著者自身の経験からくる「重要度」で解説したものではなく、
実際の厳密な入試出題率にもとづく解説であるべきでしょう。
しかし、Z会のいわゆる「100題」は、
その二つの条件をどちらも満たしておりません。
普通の受験生には気づけないものでしょうが。
しかし、かといって過去問演習だけでは、
受験日本史の全範囲の問題を拾うことはできません。
しかも、「2010年に出題した問題は2011年では出題しない」
というルールを課している大学も多いのです。
最近の赤本は、過去2~3年分しか掲載していないことが多く、
結局は入試に役立たないモノになりつつあります。
受験参考書を扱う大手出版社の弱みがそこにかいま見えますね。
手前味噌で申しわけありませんが、
derutoko.com ではそうした弱点のない教材づくりを目指しております。
自分にあった教材をご検討くだされば、幸いです。