先日紹介した史料は「改新前の世相」という大変マイナーなものでした。
今度はその逆に頻出史料を検証してみましょう。
穴埋め問題が多い「改新の詔」です。
長いので、もっとも有名な最初の2カ条だけ抜粋しますね。
山川出版の『日本史史料集』では、
こんな感じで赤字設定されています。
其の一に曰く、昔在の天皇等の立てたまへる子代の民、処々の屯倉、及び、別には臣・連・伴造・国造・村首の所有る部曲の民、処々の田荘を罷めよ。仍りて食封を大夫より以上に賜ふこと、各差有らむ。降りて布帛を以て、官人・百姓に賜ふこと、差有らむ。・・・・
其の二に曰く、初めて京師を修め、畿内・国司・郡司・関塞・斥候・防人・駅馬・伝馬を置き、鈴契を造り、山河を定めよ。(編注:以下略)(日本書紀)
確かに重要部分が赤字になっています。
でもさすがに赤字全部を覚えるのは酷だと思いませんか?
某大学は史料のフレーズをそのまま書かせますが、
いくらなんでもこんな長文を書かせることはありませんよ。
derutoko.com の『どこでも史料問題−史料編−』では、
改新の詔のこの部分は、こんな感じになっています。
※携帯で閲覧している方のために、角度を変えています。
にょろにょろ下線のところは、
頻度が低いながらも空欄問題が出題された部分です。
赤字部分が答えられるようになったら、
緑マーカーをかけてほしいのです。
よく出るところを優先して覚えるのは、学習法の王道です。
ちなみに「国司・郡司・関塞・斥候・防人・駅馬」にも、
にょろにょろ下線があるのを見てびびりませんか?
いちどきに全部が空欄になったわけではありませんが、
空欄問題が出題されたことがある語句なのです。
「鈴契」なんて、2002年の明治大では記述問題だったのです。
その後、2008年に上智大でも出題されています。
何を信じて学習するべきか、困ってしまいますよね?
というわけで、入試問題のデータを取れば取るほど、
巷に出回っている参考書・問題集を選べなくなってしまうのです。
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