昨年の現役クラスで僕の授業を受けていた人からこんな質問をいただきました。
<Nさん>
こんにちは。
昨年度お世話になっておりました、Nと申します。
昨年度の入試で第一志望の早稲田大学には及ばず、浪人することになりました。
現在は河合塾の先生のいらっしゃらない校舎に通っているのですが、日本史を勉強すればするほど、先生の授業で受かっておきたかったと後悔しています。
そのため、夏期講習は南浦和で先生の早慶大日本史と総合日本史演習発展を申し込みました。
提出内容の確認の際にチューターの方から、現役館の授業は現役生向けに授業が進められると聞きました。
そこで質問があるのですが、あざみ野や藤沢では、南浦和の授業よりも更に発展した浪人生向けの話を含む授業内容になるのですか?
今まで聞いてきたことはもとより、まだまだ甘かった頃の自分が聞き逃していた事に加え、新たな知識の獲得をしたいと考えているので、先生のご回答によっては受講校舎の変更を検討するつもりです。
お忙しいとは思いますが、ご返信よろしくお願いします。
<石黒>
Nさん、残念でしたね。
そのチューターの発言は単なるポジショントークでしょう。現在Nさんが通っている校舎の講座を受講してほしいのだと思います。現役生向けの授業だからレベルを低くするなんてことをしたら、受講生から大変なクレームを受けかねません。すでにその発言自体がクレームの対象とも言えます。
安心してください。どの校舎でもレベルはほとんど変わりません。(後略)
<Nさん>
返信ありがとうございます。
塾生の優先申し込みの締め切りが迫っていて焦っていたので、先生の早い返信にとても助かりました。
承知しました。今年の夏も先生にお世話になります。宜しくお願いします。
現在は、テキストや早慶大模試の制作に携わっていて、話を聞いている限り権威のある(?)先生に教わっています。
その先生からされる質問のレベルや、それに対する回答の速さなど、クラス全体のレベルの高さは感じています。そして、石黒先生から教わった事から答えることができてニヤリした事も何度かあります。
大概の内容は、40面ノート、文化史プリント、どこでも史料問題で補えているので、元々覚えていた物を使い込みベースを更に固めて行く事にしています。しかし授業中に初めて知る内容に出会うと、早慶合格に於いて知ってて当たり前、とはどういう基準なのだろうと疑問に思うときがあり、周りは知っているのに自分が知らない事に出会うと不安になります。それが、昨年度自分が聞き漏らした事なのか、山川の教科書に乗ってるから云々の理由で実際は不要な知識なのかの判断が出来ず、情報の一元化に困っているところです。
それは、過去問がまだ量をこなせていない証拠なのではないかと思っています。しかし、今年新たに与えられた知識に過去問で出会うまでに時間がかかるし、覚える必要の有無が判断出来ない情報が溜まっていく一方では効率が悪いと考えてしまい、そういった点で今の先生を完全に信用しきれていない自分に気が付き、せめて講習だけでもと思い、先生の授業を取らせていただきました。
<石黒>
教科書や用語集に書かれている内容でも、入試に必要かどうかはひとえに出題率によります。受験生はもちろんのこと、ほとんどの先生が出題データなんてものは取っていないので、その判断はカンでおこなっていると思います。
昨年のノートを利用して学習し、それで過去問の正解率が上がればそれでヨシかと思います。学習方針が安定しないと猛勉できないので、そもそも不合格となった原因をはっきりさせなければなりません。そうしたことは3月の段階でしておくようお勧めしていますが、大丈夫でしょうか。
同じような悩み相談をすでに何度も受けているので、ブログを読みあさると早いかと思います。
こうした浪人生に共通する問題点は、昨年の授業を聞き漏らしている内容がどれほどあるかわからないということです。それゆえ自分にとって新しい知識が出てくると、拾うべきか否かに困ってしまいます。とりあえず過去問で出会ったものは拾っていくしかないでしょうね。たとえ出題回数が1回のEランク用語であったとしても。
前近代にかぎっていえば『難関大用語集解』でDランク用語を拾っていくのも良いと思います。タイトルのせいで辞書みたいなものと誤解されがちですが、時代別にさまざまなテーマをとりあげて説明している参考書です。拾うべき用語がはっきりと太字で書いてあり、その出題例を紹介しています。