続・早稲田法学部の割れる解答速報

例のI君から再びメールをいただきました。

<Iさん>
早稲法の例の問題ですがまだもめてたんですね(笑)とりあえずわかりやすく図式化してみましょう。

荘園領主
 ↑
 ↑A…銭納
 ↑
地頭・荘官←貨幣に換金
 ↑
 ↑B…現物納
 ↑
農民

こうですよね。本問の「う」では、現物納の方が銭納より有利だったので農民側は現物納を望んだ、となっています。ということは農民側は図でいうBの部分を現物納にしてほしいと望んだ
と解釈するのがいいかと思いますがどうでしょうか。あとここのブログで、「う」を主張する先生と代ゼミか「お」を主張するぼくと駿台と河合と東進か、どっちの意見が正しいと思うかアンケートをとってみるのはどうでしょうか。なかなかおもしろいかと思います。前向きに検討していただけるとありがたいです。では。

<石黒>
わかりやすい図をありがとうございます。
「銭納(代銭納)」という用語は、
教科書では荘官・地頭から領主への納入の話として使われています。
このため「銭納」を農民の話として書いていること自体が、
誤文のつもりなのではないでしょうか?
一方、銭納と貫高制の関係ですが、三省堂の教科書には、
「室町時代、年貢の銭納が増えたので、
 所領の大きさや年貢額なども銭の単位である
 貫文(1貫文=1000文)で表示されることが多くなっていた。」
とあります。
(この大問で「一貫文」が出題されているのは、
 この記述を利用した出題にも見えます。)
そして東京書籍の教科書には、
「貨幣が流通すると、所領を面積で示さず、
 そこからの年貢の額を永楽通宝に換算した
 貫高(1貫=銭1000文)で示すようになった(貫高制)。」
とあります。
これらから考えると「お」は正文として作問しているように思えます。
ちなみにアンケートとはおもしろいですね。
ただ、回答してくれる人はごくわずかでしょうし、
多数決で答えが決まるわけでもありません。
あくまでも早稲田大学が何を正解としているかが肝心かと思います。