いやはや正直なところ沖縄戦の話は気が重くて筆が進みません。
沖縄南部の南風原町(はえばるちょう)には、長い横穴を掘って作った陸軍病院がありました。ここにもひめゆり隊がいたわけですが、その一部に入らせていただきました。
事前に予約をしておいたので、ガイドさんの説明をお聞きすることができました。併設されている南風原文化センターには、壕内の様子を実物大模型で紹介していました。
狭い通路内にこんな病床をつくって傷ついた兵士たちが横になっていました。米軍が迫ってくるとこの壕からも撤退するのですが、その際には重症患者は青酸カリを渡されて放置されたそうです。
文化センターには珍しいものが展示されていました。
これは各学校ごとに作られた「奉安殿(ほうあんでん)」とよばれる建物で、「御真影(ごしんえい)」とよばれた天皇の写真と教育勅語が納められていました。「奉安殿」はめったに問われない用語ですが、明治大学では注意しておくべきです。
大きなガマとして有名な糸数(いとかず)アブチラガマにも行ってきました。ここは修学旅行生がよく訪れるところなので、このブログを読んでいる人の中にも記憶が甦る人が多いかもしれませんね。奥行きが270mもある自然洞穴で、内部は広く、水が流れているほどでした。ここにもひめゆり隊がいて、暗闇の中で看護活動に励んでいたそうです。
わずか30分程度の見学時間ではここにいた人たちの辛さなぞわかるはずもないでしょう。しかしそれでも現場を目の当たりにすると、極悪な環境や絶望感に打ちひしがれたことが想像されて胸が締めつけられます。もっと早くに訪れるべき場所でした。