同志社大の出題ミス

2007年同志社大法学部の問題について質問がありました。

<Sさん>
夜分すみません、南浦和でお世話になっているSです。友達と学校の日本史の授業で私立の過去問を友達と競い合っています(笑)そこで、昨日同志社の2007年法学部の問題の大問1のB問1で疑問に思いメールしました。
問題
・・・608年のうちに再度の遣隋使が派遣されるが、そこには留学生の( あ )・( い )や学問僧の旻らが同船していた。
これで、( あ )と( い )に入る語なのですが、とりあえず時期として高向玄理と南淵請安を入れて正解しました。しかし、南淵請安はノートにも留学僧と書いてありますし、僕も高向玄理は即答できたのですが一瞬迷いました。これは、授業でおっしゃっていた大学教授にあわせるという作戦で良いのでしょうか?それとも、単なる出題ミスなのでしょうか。一応赤本の解説を見たら、コメントは何もなくたんに答えだけだったので、石黒先生にメールしました。返信よろしくお願い致します。

<石黒>
これは出題ミスですね。
608年の遣隋使については『日本書紀』にこう記されています。
「学生倭漢直福因・奈羅訳語恵明・高向漢人玄理・新漢人大圀、
 学問僧新漢人日文、南淵漢人請安……八人なり」
最初の4人が留学生で、
「学問僧」の後の4人が留学僧というわけです。
問題では留学生が問われているので、
本来は「倭漢直福因」などを入れるべきですが、
用語集や教科書にはそれらの人名はありません。
まさかそんな名前を書かせることはないでしょう。
たぶん出題者が勘違いしたのだと思います。
ここは大人の配慮で「高向玄理・南淵請安」と答えてあげてください。
変な話、これくらいのわかりやすい出題ミスだったら、
悩まずに済んでラクな方です。
実際にはもっと解答者を困らせる問題がたくさん存在しています。
もっとも学習レベルが低いと、
そうしたミスには気づかないわけですが……。

赤本や問題集には解答が間違っているものがありますので、
何か疑問があれば遠慮なくご質問ください。
今回の場合は作問者側のミスですが、
赤本もひとことくらい解説すればいいのに……。
もしかしたら気づかなかったのかもしれませんね。

ちなみに、このS君は早慶の過去問で、
大問単位で8割5分取れるようになったそうです。
ずいぶん進化したなあと驚いています。