2月に1週間ほど畿内を回ってきました。
まず京都からです。大徳寺というと大仙院が有名ですが、今回は高桐院という入試に出ないところに行きました。「冬の特別公開」をしていたからです。紹介しませんが、入試に出ないからとあなどっていると驚かされますね。詳しく案内してくれる人がいて、すごさがよりわかりました。
さて、紹介したいのは修学院離宮です。後水尾上皇の別荘として入試で問われます。ここは事前に予約していないと入れないため、気軽には行けません。同じ寛永期の文化の建築物に桂離宮もありますが、こちらは何カ月も先まで予約が埋まっています。模型を作っているほど好きなのですが、なかなか行けません。
ここは相当広い敷地で、その中に上・中・下の3つの庭園があります。それぞれが結構離れているので、その間は田畑の中を歩いて移動しつながら見ていきます。宮内庁の方の案内つきです。
3つの庭園にはそれぞれ数寄屋造(すきやづくり)の建物があります。数寄屋造とは書院造と茶室建築が融合した建築様式で、桂離宮で使われていることが有名ですが、修学院離宮でも見ることができます。
奥に見える違い棚の懲りようがわかるでしょうか。霞がたなびくように見えるので霞棚と言うそうですが、なんとも絶妙なバランスです。
ずーっと登って行くと一番高いところに茶室がありました。簡素なつくりなのですが、実は細かい装飾がなされています。
中はこんな感じです。
窓の開け方が大胆だと思いませんか? 庭を楽しむことを重視しているんですね。一段高くなった畳が窓に沿ってL字型をしているところは、まるで現代のソファを思わせます。
池の周りを歩けるような庭を池泉回遊式庭園といいます。ここからだと茶室を見上げる形になります。
池はかなり大きく舟遊びもしていたそうです。右の方に舟が見えますね。池のあちこちに舟を留める場所がつくられていました。
広大さを感じていただけたでしょうか。これだけ贅を尽くした別荘ですが、後水尾上皇がここに来る時は日帰りだったんだそうです。あんぐりしました。