熊野古道を歩く(3)

中辺路から熊野本宮大社にたどりつくと、本殿の裏側から入ることになります。このため気づかなかったのですが、正面のバス停付近には世界遺産熊野本宮館がありました。神社そのものよりこっちのほうが見たかったのに時間がありません。バスの時間が迫っていたのです。かけ足で見て回り、写真を撮れるだけ撮ってバス停にもどりました。ところが何をボケていたのかバスの時間を10分勘違いしていて、結局乗り過ごしました。タクシーも来ないため困っていたら、地元のおばあさんが宿まで送ってくださいました。

世界遺産熊野本宮館に展示されていた物を紹介します。


修験者(しゅげんじゃ)、いわゆる山伏です。

経筒
経筒(きょうづつ)のレプリカです。この中にお経を入れて地面に埋めたのです。これは院政期に埋められたものですが、藤原道長が奈良県の金峰山に埋めたものなども出土しています。

蟻の熊野詣
「蟻(あり)の熊野詣」のジオラマです。熊野詣をおこなったのは上皇だけではありません。室町時代には庶民の参詣もさかんになり、「蟻の熊野詣」とよばれるほどになりました。このジオラマ模型はちょっと大げさなんじゃないかと思いますが、江戸時代には伊勢参宮のついでに熊野三山をまわる人も多かったようです。「ついで」と言っても徒歩ですから、驚きますよね。熊野詣をすれば一度死んで生まれ変わるとされたため、女性や重い病気の人たちも参詣したのです。

これらのほかにも熊野古道を説明する映像が流れていました。世界遺産に登録されるとこうした展示が充実するのがいいですね。パンフレットや地図もわかりやすいものが増えます。今回も出発地でいただいた地図が大変役立ちました。

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