昨日のつづきです。
『2時間でおさらいできる戦国史』について、いただいた感想を紹介します。
—————————
城についてもまさしく天守閣=城と思い込んでいて、戦国前半の城と後半の城の区別がついていなかったので、第4章の「戦国時代にはいたるところに城があった!」で楽しく勉強させて頂きました。わたしも機会があれば建物が残っていない戦国前半の城を歩いてみたいと思いました。
「現代日本にも息づく独特な喧嘩両成敗法」もすごく面白かったです。正しい間違っているを考慮しない「喧嘩両成敗」は理不尽な気がしていましたが、「双方の体面を保つ」というのは現実にこれからも同じメンバーで仕事をしてゆくならとても大切なことだと思いました。
自動車事故の過失相殺は当たり前なことだと思っていたので、世界的に珍しいと知ってびっくりでした。
118ページの醍醐寺の僧の旅行の記録の話は初めて聞きました。一泊二食の宿泊料金が統一されていたと具体的に伺うと229、230ページで「民間では地域間の統合はできつつあった」ということが実感を持って理解できました。
誰かが戦に最終的に勝利したから天下統一が実現され太平の世が来た、と今まで疑問を持ちませんでしたが、あれほどたくさん亡くならなくても太平の世が来る可能性もあったかもしれないのですね。
「戦いの実態」の最後に紹介されていた「境目の村」の年貢を半分ずつ納めるという工夫はすごいと思いました。自分たちの身を守るため必死に考えていることが伝わってきて頼もしいです!
有名人の知らないエピソードもとても面白かったです。信長の馬揃えに参加できなかった秀吉が「みんなの出で立ちを詳しく教えて!」と手紙を描いた様子が目に浮かぶようです。
また、章の最初にたくさん地図があって振り返って場所を確認できてとても読みやすかったです!
—————————
ここに挙げられている話は、僕自身も非常に興味深く思っていたところなので、共感してくださる方がいて大変うれしく思います。僕の城好きは40年にもわたっており、はじめこそ華々しい大坂城や姫路城に興味を持ちましたが、現在では建物がのこっていない城に興味が向かっています。最近はそうした城跡も復元する動きがさかんなため、城マニアでなくとも見学しやすくなっているのです。この点は、ぜひとも紹介したかったことでした。
近年、戦国時代研究が進み、いろいろなことがわかってきました。喧嘩両成敗の話や、宿泊料金の共通性などもその一例です。単に大名どうしの戦いを書いている本ではありません。戦国時代をいろんな面から見てみようという本です。わかりやすいイラストも入っていますので、ぜひ書店で手に取ってみてください。