夏休みはもちろん、1学期の復習を自分ですすめるべきですが、それは40面ノートの暗記を中心に、問題集などに取り組めばいいでしょう。しかし、それだけに終わらず、1学期に時代別に学習した部分を、今度はテーマ別にたどって、「流れ」「つながり」を深く理解するべきです。テーマ別学習と言っても、当然1学期部分の復習に直結しますが。
テーマ史の中でもとくに難しいのが土地制度でしょう。平安時代に寄進地系荘園が発生し、地頭が設置されるようになって、鎌倉時代に地頭請や下地中分が行われるようになった。さらに南北朝時代には守護の権限が強まって、半済や守護請が行われるようになると、守護は守護大名化していった。その一方で国司は……?と、非常にイメージがしにくい話になります。
これ以外にも日中関係史・日朝関係史などの外交史も気になりますし、文化史分野では、仏教史や美術史などもテーマ史の形で出題されやすいです。というわけで、各予備校ではテーマ史を扱った講座が設置されています。それをまずお勧めします。夏期講習では、穴埋め形式のまとめプリントを使って講義します。演習用の問題もついていますから、少しだけ生解説もあります。通常授業では扱わなかった用語も少し登場します。難関大をめざすなら、ぜひそれらの用語も拾ってください。
次に、早慶レベルを狙うなら、「やや難」レベルの問題を解いていきましょう。それは赤本をやることでも経験できるのですが、ひとりでやっていると、「この問題は誰もできないだろう」と、甘えてしまう危険性があります。勝手に合格ボーダーラインを低く考えてしまうのです。講習の生解説ではキビシイ水準を見せつけられるため、甘え心は思いっきり砕け散ります。泣いてください。また、問題の解法も真っ正面から解く方法だけじゃないことがわかるはずです。消去法はもちろん、思わぬ解き方を知ることになるでしょう。ちなみに、早稲田予備校の「早慶難関大の日本史」では、早慶上智MARCH学習院大の志望者までを対象としていますが、河合塾の「早慶大日本史」では、早慶大に限定しての講座設定となっています。
最後に、近現代の範囲を未習の人にお勧めします。2学期はいよいよ近現代に入りますが、その予習をぜひ夏のうちにしてください。そうすれば、ひとり寂しく取りのこされる心配もなくなります。ただでさえ複雑な近現代なのですから、夏休みに骨組みをしっかり頭にたたき込んだ上で、2学期に細かい肉づけをしていく、という2ステップで挑みましょう。夏期講習では、近現代を40面ノートとは別の板書をしながら講義をします。
予算的に難しい場合は、上記の学習を自分でやってみてください。当然かなりの苦労をともなうでしょうが、逆に言えば、授業料の数字がそれだけの価値を表してるとも言えます。
※河合塾で受講されている方へ
河合塾では、文化史の講座を担当しないので、なんらかのフォローをしてください。