正解はどっち!? 解答が割れた正誤問題(1)

相変わらず入試問題のデータ入力作業に没頭しています。ずっとパソコンに向かっているので、背中や腕が痛くなって困っています。スタッフによれば「姿勢が悪いからです」とのことですが……。

ところで入力の際に、自分の解答と、赤本の解答と、旺文社の『全国大学入試問題正解』の解答を見くらべます。早稲田や慶應の場合は、各予備校の解答速報なども見くらべています。そうすると答えが割れているのが出てくるのです。問題が悪いために解答を絞り込めないことも多いのですが、解答作成者が間違っていることもしばしばです。とりわけ解答速報の場合は、速報性が求められるため間違いが目立ちます。そういう僕も、先日、早稲田大の解答を一つ訂正しました。こちらをごらんください(pdfファイルが開きます)。史料の原典にあたったら解答がはっきりしたためです。

というわけで、今日は赤本の解答と僕の解答が異なっていた問題を一つ紹介します。2011年明治大学情報コミニュケーション学部の問題です。みなさんならこれをどう答えますか?

問 19世紀前期の日本本土の文化に関する説明として,正しいものを,次の(1)~(4)のうちから1つ選び,マーク解答欄に記入しなさい。
(1) 江戸で蘭学研究が盛んとなり,杉田玄白・前野良沢が『解体新書』を刊行した。
(2) 河竹黙阿弥が,江戸を舞台とした暴力と貧困の世界を歌舞伎作品に導入し,江戸の庶民の人気を得た。
(3) 鈴木春信が色つきの錦絵を創始し,代表作『弾琴美人』は江戸で評判となり浮世絵版画は活況を呈した。
(4) ロシア軍人の国後島上陸に危機感を抱いた水戸藩士会沢安は『日本外史』を著述し,尊王攘夷運動を牽引した。

つづきは、明日

でる日講義−とことん文化史−

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