ガリガリ現役生vsまったり高卒生

受験直前期は、受験生の間で、一番温度差が開く時期です。
数日間お風呂にも入らないなど、
わき目もふらずにガリガリ勉強する人と、
その逆にまったり勉強する人とに分かれるわけです。
どちらかというと、現役生の方にガリガリ派がいて、
高卒生の方にまったり派が目立つ気がします。
ガリガリ派の人の多くは現役で合格してしまったからでしょう。

今日はそんな「ぬるさ」を感じさせるメールを紹介します。

<Xさん>
今日の授業について質問があるのですが…大問10の問5で江戸湾に防備をした時期に疑問がありまして、幕府は林の「開国兵談」で筋の通った事を言われて処罰をしたものの外国に備えたって授業言っていたような記憶が在ったのですが正しいでしょうか? 後同志社大の2005全学部大問3に捨て問はありますか?

<石黒>
「開国兵談」ではなくて「海国兵談」ですね。
授業ではそうは話していません。
どこかで得た知識ではないでしょうか。
そして「時期に疑問」とありますが、どこが疑問なのでしょう?
むしろ寛政の改革の時には防備をしたという知識があるなら、
その後の1810年にも防備を命じていてもおかしくないと思いませんか?
推測の方向が間違っているように思います。
事実としては、寛政の改革のときにも、
その後にも江戸湾の防備を命じています。

それから同志社大の問題ですが、ほとんど捨て問はありません。
松任谷由実とビートルズは、さすがに出題データがありませんが、
解けてしまう人はいるでしょうね。
そして他はみな出題データがあります。
ほとんどは文化史プリントにありますよね?
ないものは、冬の文化史の講座や、
早慶難関大の講座に出てきています。
単純な問題ばかりですし、文化史の多い同志社大ですから、
ふつうに正解してください。
ずいぶん「ぬるさ」を感じる質問ですが、大丈夫でしょうか。

その後、彼から、
「ビートルズのインパクトが大き過ぎて焦ってしまいました。
 文化史をもう一度やり直します。」
という返信があったのですが、
「もう一度」ってところに、さらに驚かされました。
暗記モノが多い文化史用語は、入試直前の今こそ、
詰め込みまくるべきなんじゃないでしょうか。
1日8面やったら、2日で文化史は一周できるんですよ?
相変わらず「ぬるさ」を感じるリアクションでした。
彼にとって受験はそれほど重要なものではないのでしょうか……。