先日の記事で、
「その作品がどこに分類されるかがわかっていないと、
解けない問題があるのです。」
とお伝えしましたが、今日はそれを具体的にお見せしましょう。
2001年明治学院大学社会学部・経済学部の問題です。
……西行が出家した動機は明らかではないが,〔 f 〕第2巻には「西行法師,大峰に入り難行苦行の事」という一項がある。西行は出家し修行のなかで感きわまったという。……
問f.13世紀の説話集を次の中から一つ選びなさい。
(1) 今昔物語 (2) 愚管抄 (3) 宇津保物語
(4) 曽我物語 (5) 古今著聞集
なんだかえらい説明不足な問題ですが、
たぶん〔 f 〕にあてはまる作品を答えさせたいのでしょう。
右も左もわからない受験生だと、
「西行法師,大峰に入り難行苦行の事」
って部分に目がいっちゃって、???となってしまうかもしれません。
念のためお伝えしますと、西行の歌集の『山家集』は、
別の小問で問われていました。
というわけで、この問題では「西行」なんてどーでも良いのです。
もっと別のルートから正解にたどりつくべきなのです。
注目すべきは、設問文の「13世紀の説話集」です。
選択肢を見渡すと、その条件に合うのは、一つしかありません。
答えは伏せておきましょうか。
もちろん『聴くだけ日本史−文学史編−』では扱っています。
この「選択肢を見渡す」=「選択肢の相違点を比較しあう」
ということができるようになると、
今までは解けなかった問題が解けるようになります。
いちだんと正解率が上がるわけです。
選択肢の用語の時期やジャンルを、瞬時に判断する能力が必要ですね。
この問題などはまだ簡単な方ですが、
早慶上智などの最難関大を受験する人には、
ぜひ習得してもらいたい能力です。
それにしても、解答へのプロセスって大事だと思いませんか?
『聴くだけ日本史−文学史編−』には、
文学作品をいっきに確認できるチェックシートが付属します。
詳細は、近日中に公開いたします。