正誤問題を解くプロセスでわかる、受験生のタイプ

今週から、ようやく河合塾の通年授業がスタートします。
ワセヨビの高卒クラスも今週からですが、
現役クラスはすでに3月から始まっていました。
いち早くスタートを切っていた、
ワセヨビ現役生からの質問を紹介します。

<Sさん>
昨日の土曜日、高校にて、日本史の実力試験があったのですが、問題が実際の入試問題をベースに作られていたようで、「人々が弓矢を用いていたことは石鏃の出土からわかった」「新羅からやってきた五経博士が儒教を伝えた」などという正誤問題をはじめとして、先生が授業中に強調したポイントなどが片っ端から出ていて、面白かったです。40面ノートと先生の授業の内容の的確さを改めて感じました。40面ノート未履修部分は酷いことになりましたが、40面ノート履修済の範囲は ほぼ全問正解出来たと思います。迷った問題があったのですが、質問させてください。
「(弥生時代の文章で)この時代の水稲耕作について述べた文として正しいものを一つ選べ」で、
ア 自然の湿地で栽培したため、水田での田植えは行われなかった
イ 収穫は、石包丁を用いた根刈りが一般的であった
ウ 東北地方では、気候が寒冷であったため、稲作は行われなかった
エ 木製農具の製作には、斧・刀子などの鉄製工具も用いられた
イとウはすぐ省けましたが、ア・エでよくわからなくなりました。アは40面ノートだと「乾田の田植え」で 湿田は籾まき。しかし「湿田」と「水田」の差がよくわからない。エは「木製農具の製作」というのが、木製農具の製作の過程で斧・刀子を用いられたということなのか、材料に使われている、ということなのかもよくわからない。結局、エの解釈を後者と判断して、「木製農具は全部木でできている」という授業の流れを基に、エを省いてアを選択したのですが、この回答およびこの回答に至るまでのプロセスはどうでしょうか。
「喋り勉強」、復元、行っています。復元、一度出来ても、2、3日経ってもう一度、今度はノートを見ずいきなり復元をしようとすると、大枠は書けても、丸数字の後に続く部分などが全然思い出せなかったりするので驚きました・・繰り返し繰り返し覚えることの重要性を感じました。

<石黒>
アは誤文です。
最近、弥生時代の早い段階から田植えが行われたことが判明しました。
そのため実は授業でも、難関大向けの知識として、
ぬかりなくそのことに触れています。
一方、エは「刀子」がわからなくても推測で考えましょう。
言葉足らずな文ですが、
「木製農具(100%木製)を製作する際には、
 鉄製の工具を用いて、材料の木を切ったり削ったりした」
という意味です。
よく考えてみてください。
斧や刀子は「農具」ではなさそうですよね?
ということは、木製農具を作る際に使用する道具ってことです。
こういう問題でつまずいているということは、
S君が問題演習をしっかりやる必要があるタイプだということです。
早稲田入試では、正誤問題の攻略が一つのハードルとなっています。
十分意識して取り組みましょう。