受験日本史では、何が重要で、何がいらない?

『MARCH学習院あるあるチェック』を使っている方から
質問をいただきました。

<Aさん>
石黒先生こんにちは!藤沢校で2学期からレギュラー授業を受けていました。質問なんですが、律令制度の中の律令官位制で、『正一位・従一位なら太政大臣につける』とゆうような組み合わせは、全部の位階と官庁を覚えた方がいいですか?それと官吏の給与は、『位田が五位以上』とゆうような組み合わせを覚えた方がいいですか?最後に四等官制の長官‐次官‐伴官‐主典は神祗官、太政官、省、太宰府、国、群それぞれの漢字を覚えた方がいいですか?2学期からしか石黒先生の授業に参加できなかったので、1学期ぶんは自分だけでやっていました。なので、覚える必要がないのか、それとも超重要なものなのかの判断が曖昧になっていました。問題を解いていて↑のようなものが出てきて、分からなくてあせってしまい、メールさせてもらいました(*_*)(後略)

<石黒>
その問題は何年の何大何学部の問題でしょうか?
えらい難しいことを言っていますが、何で勉強しているのでしょうか?

<Aさん>
過去問ではなくて、学校の先生にもらったプリントです。いつも使っている参考書は『○○(編注:伏せさせていただきます)』です。

<石黒>
まず、大学入試を出典としていない問題は、
実際の入試に沿っていないことがあるので、
解いても時間のムダってことも多いですよ。
信頼のおける問題集を使うことをお薦めします。
また、その参考書も実際の入試に沿っていないので、
覚える必要のない内容が多く書かれています。
その逆に入試に出ることが書かれていなかったりもします。
注意してください。

それでは質問にお答えします。
MARCHレベルなら、
位階が全部で30階あったことを覚えていれば十分です。
もしがんばれるなら、
最上位の正一位と、最下位の少初位下を覚えてください。
次に、官庁は二官八省一台五衛府はすべて言える必要がありますが、
位階との組合せは出ません。
官吏の給与は「季禄」なら出ることがありますが、
田地が細かくどうなっているかは出ません。
ただし、口分田以外に位田・功田・賜田……があったと、
並列させて覚えてください。
四等官制の漢字を覚えなければならないのは、
基本的に国司と郡司だけです。

最後に、Aさんは何を覚える必要があるかが、
いろいろとつかめていない気がします。
今からでも『読むだけ日本史(1)』
チェックすることをお勧めします。

<Aさん>
一通りこの参考書でやってしまったのですが(涙)気をつけたいと思います。今日もう1回この参考書を使ってやり直そうと思ってやっていたのですが、石黒先生に質問してよかったです。MARCH学習院のテキストにも、このような問題は載っていなかったので、本当に重要なのかな?と実際は思っていました。でも、常識的な問題だから載っていないのかもと不安に思い、自分だけの判断で決めてはダメだなと思ってメールしました。とにかく、今からでも『読むだけ日本史(1)』でチェックします。ありがとうございました!

ちなみにAさんのメールの漢字ミスを4つ指摘します。
「伴官」ではなく「判官」です。
「太宰府」ではなく「大宰府」です。
「神祗官」ではなく「神祇(正字)官」です。
「群」ではなく「郡」です。
漢字ミスは基本的に不正解となるので、
せっかくの正解を台無しにしないよう、十分注意してください。
また、「律令官位制」ではなく「官位相当の制」ですね。