問題を解くカギは授業で聴こう(1)

今年は、講義中に受講生を見て驚かされることが多い気がします。
授業内容を吸収しようとしていない人が目につくのです。
たとえば、ある用語を解答するためのポイントを強調しても、
それをスルーしてしまう人がいるんですよ。
うつろな目をしているので、
「聞いてるのかな?」って注視していると、
ペンを持つ手が動かないままなんです。
メモも取らず、アンダーラインもかけないままで、
あとで何がポイントだったか思い出せるのでしょうか?
わざわざお金を払って予備校に来ているのに、
実にもったいない話です。

当方は、日々入試問題に触れています。
問題を解いてパソコンにデータ入力するのはもちろん、
入力したデータをながめることも多いです。
授業で出題校が言えるように、
プリントにデータを書き写すこともよくやります。
そういうことをしていると、
「ここで、この説明をしそびれたらまずいぞ」とか、
「こういうふうに説明しておかないと、解けないぞ」
とかって思うことがしょっちゅうあります。
世間にはそんなこと気にかけず、
アバウトに授業をしている先生が多いのでしょうが、
そうしたテキトー授業はできない性分です。
だって、入試問題の8~9割が正解できなかったら、
予備校の授業としては、詐欺じゃないですか。
目的が曖昧な高校の授業じゃないんですから。

だから授業で話しそびれたものがあると、
翌週であっても付け足します。
また、通年授業でしゃべらない内容で、
「講習のこの場面で説明しよう」と決めているものも多いです。
もちろんそういう内容は、講習用のプリントに書き留めてあります。

ただし、これほど律儀に説明してみても、
それが空回りしていたら何の意味もありません。
授業を吸収する度合いが浅かったら終わりなのです。
でもその度合いは、要領の悪い人だと、
問題演習で体感するまでつかめないようです。
浅すぎず、かといって細かすぎず、絶妙なレベルで吸収できる人は、
天性の勘を持つ人だけです。
千人に一人もいないんじゃないでしょうか。
だからこそ、過去問を頻繁に解きながら、
自分の志望大学が出題する問題の難易度を見極めつつ、
学習を進めていってもらいたいと思うのです。

この話、明日につづきます