獨協大入試で作問ミス

2月1日の獨協大の入試で作問ミスがありました。
受験生から次のメールが届いたのです。

<Tさん>
こんにちは。冬季講習と直前講習でお世話になったTと申します。さっそくですが今日あった獨協経済の問題で質問があります。
大問1,問2 下線部(a)について、正しいものを選びなさい。(a)律令制度では、農民に口分田が班給された。
ア 男子はおよそ12アール弱の口分田を班給された。
イ 女子は男子の半分の面積の口分田を班給された。
ウ 私有の奴卑は良民男女の3分の2の口分田を班給された。
エ 家屋やその周囲の土地までの私有は認められなかった。
オ 死者の口分田は4年ごとに収公された。
全て間違っていると思うのですがどうでしょうか。お忙しいと思いますがお返事頂けたら幸いです。

<石黒>
これは作問ミスですね。山川の教科書に、
「男子は2段(1段=360歩=約11.7a)」とあるのを、
誤読している可能性があります。
11.7aを男子の口分田の面積そのものだと、
とらえてしまったのかもしれません。
本当は2段なので23.4aになりますから。
大学側は正解をアとしている可能性が高いと思いますが、
Tさんが他の答えを選んでいたとしたら、
文句を言った方がよさそうですね。
クレームつけましょうか?

<Tさん>
作問ミスのようなので安心しました。自分はアとエで迷い、エにしました。獨協は滑り滑り止めなのですがぜひお願いします!

というわけで、獨協大に連絡申しあげたところ、
先ほど「全員正解とします」とのご返事をいただきました。
すでに獨協大のWebサイトにも出ているそうです。
T君と僕との連携プレーが功を奏したようです。
それにしても作問ミスはどうしてもおこるものなので、
試験直後などに外部チェックに出した方がいいと思いますけどね。
後で追加合格者を出すはめになると面倒なことになりますから。
危機管理がしっかりしている大学はすでにやっていることですが。

ところで受験生のみなさん、上記のエが誤文だとわかったでしょうか?
山川出版の教科書に、
「家屋やその周囲の土地は私有が認められた」とあります。
当方の授業・教材では、河合塾では扱いませんでしたが、
ワセヨビの夏期講習「テーマ別日本史」や、
『でる日講義−経済・外交史(前近代)−』の、
テキストの問題の解説の中で説明しています。
ちなみに口分田が売買できないことも覚えておくと良いでしょう。