ノートを書く理由(1)

『でる日講義−つながる近現代−』を受講してくださったから、
感想・要望をいただきました。

<Tさん>
『でる日講義 -つながる近現代-』の感想。
HTと申します。つな近は非常に詳しく説明していてすばらしいと思います。しかし、なぜノートを”書く”んでしょうか?僕はもともとカラー印刷して置いたほうが絶対いいと思います。書くと時間がかかりすぎます。でる・でないを教えるのはあたり前のことで、むしろすべての語句の出題形式をバンバン言ってほしいです。例えば短文論述や正誤は下線をひかせたり、記述や選択問題語句は( )させたり。正誤も記述もでるなら( )も下線も引かせたり。もっともでるものには赤でぐるぐるまきしたり。でにくい早慶レベルには鉛筆で丸させたり。あらかじめすべて印刷しておくことでこういった書き込みがスムーズにできます。あらかじめカラー印刷しておけば、先生の丁寧な解説による歴史の流れ、でる語句、”出題形式”、ゴロ合わせといったすべてをカバーできる最強ノートになるはずです。なぜ書き込みするんでしょうか?カラーコピーなんて大した値段張りませんよね?(内閣プリントはカラーコピーですし)もっともっと入試に近い形の効率よいやり方があると思います。あらかじめでき上がってあるカラーコピーされたノートに出題形式と頻度を書き込みしていき、それを先生のやり方でノート復元したり、またはコピーし、チェックペンで覚えていくスタイルのほうがより入試に近い形でしかも出る用語+出題形式をみにつけることができると思います。先生がなぜ”書き込み”にこだわる理由はわかりませんが、僕はこのように考えます。以上、感想と、要望とさせていただきました。

<石黒>
感想ありがとうございます。
Tさんはどのレベルの大学をめざしているのでしょうか?
それによってお答えが変わってきます。
もし、MARCH学習院以上を考えているなら答えは簡単です。
出題パターンを簡単に言うことなんてできないからです。
もちろんよくある出題パターンというのはありますし、
当然把握しています。
しかし、そのパターンにこだわりすぎて、
違う出題法に対応できない場合が多いのです。
そんなに入試は単純じゃないということです。

実は、僕の通年授業を受けている生徒で、
同じことを言いに来た生徒がいます。
なんでも昨年、代ゼミのある先生の授業を受けていて、
その時にTさんが言うやり方とまったく同じ方法で、
印をつけていたんだそうです。
だからそのやり方でノートに印を付けるのはどうでしょう?
と言うのです。
僕は「それが良いと思うなら、試しにやってみたらどう?
それで高得点にならなかったら変えた方がいいよ」と答えました。
実際の校内模試の結果は……高得点にはなりませんでした。

スゴイ人たちが、一見答えが分からない問題を、
どうして正解してしまえるのか、
そのプロセスを目の当たりにすれば、
わかっていただけるかもしれません。
単純に知識の積み上げで、
入試問題に向かっているわけではないんです。
ここで詳しく説明する余裕はありませんが、
まとめそのものを全部思い出すのが基本です。
その復元をするためには書くのは当然でしょう。
しかも実際に書くことで間違えやすい漢字に気がついたりします。
また、活字よりも手書きの字の方が、
頭に残りやすいというのもあります。

僕の通年授業でも時々、
先輩や兄姉のノートのコピーをおいて受講している人がいますが、
ほとんどの場合、それは「逃げ」にすぎなくて、
難関大合格のレベルまで届かないのです。
書く作業をまったくせずに難関大に受かる人もいますが、
大変稀なことで相当知能の高い人に限られます。
本気でMARCH学習院以上を狙うのでしたら、
ぜひでるとこサイトの、
「映像教材を120%使いこなす」というコンテンツを見て、
復元にチャレンジしてください。
そのうえで貪欲にもっともっと肉付けをはかってください。
そして合格ラインに届いたかどうかを、
たくさん過去問を解くことで確認してください。
TさんがMARCH学習院以上をめざしていなかったり、
逆に稀なスゴイ知能の人でしたら、
的外れな回答となってしまって申しわけありません。

この話、明日も続きます