宮崎駿の新作アニメ(2)

さて、なんでこんな恥ずかしい話をしたのかというと、
新しい言葉を覚える時には、
音から入った方がいいことがよくわかる例だからです。
とかく受験生は「文字を見て」言葉を覚えますが、
見るだけだと勘違いして覚えてしまうことがしばしばおこります。
漢字の読み方が自己流になっている人はすごく多いです。
先日は「足高の制」を「あしだかのせい」と言っている人がいました。
もちろん「たしだかのせい」です。
授業ではそこを覚えてもらうためにも、
「石高を足すんだよ!」って力むのですが……。
なかなか意図が伝わらないものですね。
ほかにも文字数の多い用語だと、
文字の一部を前後ひっくり返したり、
削ったりして覚え込んでしまう人もよくいます。
「輸出入品等臨時措置法」を「輸出入品臨時措置法」としちゃうとか。

近現代に入ると難しい漢字はぐっと減りますから、
暗記の際に書く必要のない用語がたくさんあります。
だから時間短縮のためにも、書くのではなく発声して暗記すべきです。
もっと言えば、しゃべったことがない用語なんて、
習得したことになっていないんじゃないでしょうか?
声に出したことのない用語は、なかなか使いこなせないものです。
敬語がうまく使えないのはそのせいでしょう。

今回は、はからずも僕自身が、
「声に出すことの大切さ」を証明してしまいました。
derutoko.com が音声教材にチカラを入れているのは、
こうした理由からなんです。
『聴くだけ日本史』『どこでも史料問題』は、
音声による記憶定着効果を狙っている教材です。
すでにお持ちの方は、ただ聴くだけじゃなく、
ぜひ一緒に発声してみてほしいと思います。

ところで、後日談があります。
この話をスタッフにしたところ、
「ボーニョくらいなら全然いいですよ」と言われました。
なんでも彼女のお母さんは、
「ポニョ」のことを「ポヨヨン」と言うんだそうです。
おいおい、テレビで音声聞いてるだろ! ……ですよ。

念のため言っておくと、うちにはテレビはありません。