『どこでも史料問題』の使い方

今日は、史料の勉強法についての質問メールを紹介します。
『どこでも史料問題』の史料編は、A・Bランク史料だけを扱っていて、
Cランク史料は掲載していませんので、
早稲田大をはじめとする難関大や、
史料を難しく出題する大学を受ける人は、
すべて基本だと思って取り組んでくださいね。
「問題編」や「頻出史料でるとこチェック」の方には、
Cランク史料も混じっています。

<Iさん>
毎日お疲れさまですm(__)mたびたびすいません。でるとこ資料問題について質問なんですが、早稲田志望の自分は神皇正統記、愚管抄とかの波線部は丸暗記したほうがいいですよね?
返事はいつでもいいです、お忙しい中失礼しましたm(__)m残りの授業も頑張ってください

<石黒>
『どこでも史料問題』の波線部分については、
目次のあとにも意味が書いてありますが、
丸暗記までする必要はありません。
史料によって波線部分の扱いが異なりますが、
例えば神皇正統記だったら、
「○○」や「××」は穴埋めに備えておいた方が良いですね。
一方で「△△△△」は、この部分だけで
何の史料かが判別できるようにしておくと良いでしょう。
こういった場合は、字面を覚えるよりも、
音声CDを使うなどして音として記憶すると、よく定着しますよ。

ちなみに、I君の言う「丸暗記」が、
本当に何も考えずに単に覚えるという意味だとしたら仰天します。
空欄でも波線部分でも、
前後の史料文を読解すれば推測できる用語がほとんどです。

※編注:都合により、一部の名称を伏せさせていただきました。

夏期講習では早慶大向けの演習講座を各校舎で行いましたが、
解説をしながら受講生の表情や反応を見ていると、
相変わらず日本史を
単なる暗記科目ととらえている人が多いように見えます。
いくらたくさん用語を覚えたところで、
問われ方など何通りもあるのだから、
単純な知識だけでは、難関大の問題は解けないんですよ。
他の用語とからめながら、わしづかんで覚え、
思い出す時は、周りの用語もまとめて思い出すべきなんです。
出題される用語とそうでない用語をくっきり区別していると、
さらに正解率が高まります。
残念なことに、1学期の通年授業を受けていた人でも、
そのあたりの「肝」が理解できない人がいるようです。
逆に、夏期講習だけの受講生の中に、
その「肝」がわかってしまう人がいます。
そういう人たちは、講習を受講しただけで、
受験日本史の真髄をつかみ、
要領よく合格していってしまうのでしょう。
膨大な情報を「単純暗記」していたら、
本番の2月までとうてい持ちませんから、
工夫に工夫を重ねて、定着させていってください。