中経出版のYさんからメールをいただいたのが、
2005年の3月6日のことでした。
先行発売されていた『いっきに読める世界の歴史』の
日本史版を書かないかという話でした。
世界史版は話し言葉で、読みやすそうなつくりでしたから、
「授業っぽく書けばいいからラクだな」なんて思い、
お引き受けしました。
最初のうちは、通年授業に合わせて書いていたのですが、
あっという間に原稿が遅れだし、
しかも、この年の夏は『でる日講義−とことん文化史−』を、
冬には『MARCH学習院あるあるチェック』を作りましたから、
こちらの原稿は完全にストップしてしまっていました。
実は、あまりお知らせしていませんが、
上記以外にも映像教材や原稿が目白押しだったのです。
そうして迎えた2006年の2月。
ようやく執筆の時間が取れるようになったのですが、
読みやすさ、わかりやすさ、おもしろさの度合いが難しくて、
何人かに読んでもらって、何度も書き直しをしていたんです。
しかも、デザイン上のアイデアも浮かんでしまいました。
時代や内閣を示すラインをつけたり、表や系図を手書きにしたり……。
あっという間に当初の予定の締切をすぎ、
ようやく提出できたのが2006年4月24日でした。
その後には自分から言い出した手書きの表や系図が待っていまして、
それが提出できたのが、5月17日。
そこから今日まで実に1年3カ月。
なんと原稿執筆よりも校正にかかった期間の方が長いんです!
普通の著述業の人たちは、あまりこだわらないのかもしれませんが、
僕は、どうせ世に出すなら、
自分が納得できるものを出したい。
自分が責任を取れるものを出したい。
と思っています。
ウソやハッタリが嫌いで、入試問題分析をしてるんですから。
はいはい、
「そんな細かいこと言うヤツはモテないよ」って言ってるそこの人、
よけいなお世話です。
自分を曲げて生きていけるのなら、
普通のサラリーマンになってますって。
それにしても、まさかこれほどの難産になるとは思いませんでした。
受験が終わったみなさんには、
「本屋で見つけて、中身が懐かしく感じたら買ってみてください」
と言いたいです。
授業を再現してるところも多いんです。
早いところでは8月15日には書店に並んでいるそうです。
ぜひ、書店で手に取ってみてください。