切り換えにくい、近現代シフト

先日、
「今からでも『でる日講義−とことん文化史−』やって間に合いますか?」
って質問がありましたが、言うまでもなく間に合います。
というより、これから、ですよ。
夏に文化史の半分を終わらせたいところです。

さて、今日は近現代についてのお話です。
今週は河合塾藤沢現役館で、
近現代の講義を90分10コマで行っています。
これで近現代の骨組みを作って2学期に備えようというわけです。
近現代はあらゆるものが結びついていますから、
理解の仕方に慣れないと、とんでもないことになります。
古代から近世の範囲とは違って、
単純暗記ではすまされない部分が多いのです。
それを無理して単純暗記する受験生もいるんですが、
それではたくさんの情報量を頭に残しておくことなんてできないし、
考えて解く問題に対処できません。
こうしてあちこちのつながりを重視しながらの理解を、
僕は‘近現代シフト’と呼びたいのですが、
そのギアチェンジができないと、何がなんだかわからなくなります。

受講生の中にはとまどっている人もいるようですが、
そうした人たちは、
もっと「しゃべり勉強」を取り入れるべきでしょう。
ノートを見ながらどんどん説明していくんです。
できごと同士のつながりも突っ込みながら、です。
つながりを意識し始めると、前のページにもどったり、
逆に先のページも見たりして、行きつ戻りつすることになるでしょう。
2学期には、それを内閣プリントを使って
やってみてほしいわけですが、
そうするうちに、だんだん近現代全体が、
まるで自分の手の平にあるような気分になってきます。
まさに全体を把握している気分です。
歴史を高い視点から見下ろすことは、非常に大切なことだと思います。
それができれば、目先のことだけで物事を判断しなくなるからです。
遠くを見据えながら物事を判断できる人は道を誤りません。

ちなみに、このギアチェンジがうまくいかない人は、
こんなタイプに多いです。

1 日本史は「用語暗記の教科だ」と思ってる人
2 前近代部分の成績がそこそこいい人
3 自分は日本史の勉強法が確立できたと思い込んでる人
4 授業中、板書を写すのが遅くて講義を聴き取れていない人
5 受講後すぐに復習をしない人
6 パズルが苦手な人

心当たりのある人は、ぜひ夏休み中に近現代に取り組んでください。
実を言うと、僕の方がむしろ「この人大丈夫かな?」
って心当たりがあるんですけどね。