入試問題の中には、こんなひどい問題作って恥ずかしくないの?
って言いたくなるものがあります。
一般的な見解とはズレた、
作問者の個人的見解で作られた問題のことです。
そういう問題に出会うと、
「しょうがないからオトナの配慮で答えてあげましょう」
ってみなさんには呼びかけてるんですが、
受験生のほとんどは、まだ未成年なんですけどねえ……。
そんな事情があってか、最近は、
入試問題をプロにチェックさせる大学も現れています。
でも有名大学になればなるほど、そういうことはしないようです。
やっぱりプライドがあるんでしょうね。
さて、青山学院大はそのあたりどうなってるんでしょうか?
だいぶ前にこんな質問があったんです。
<Tさん>
お忙しいところすいません。質問なんですが、
「食封」は「封戸」と同じ訓読みがなされているが、それは次のうちどれか。
1.しなふ 2.へひと 3.しきふ 4.へこ
っていう問題で答えが2.へひと なんですが、食封→じきふ 封戸→ふこ って読むのはわかるんですけど・・。この問題ってどういう意味ですか??
青山学院大学の2005年2月14日のIの設問2です。
<石黒>
普通は「食封」は「じきふ」、「封戸」は「ふこ」と読みます。
その別の読み方を聞くとは難問ですね。
この問題の出題者の意図するところはこんな具合です。
改新の詔に「食封」とあるが、
古い史料集などでは「へひと」とよみがながふってあるので、
その知識をもとに作問したのでしょう。
かなり強引ですね。
なぜなら、最近の山川出版の『詳説日本史』では、
素直に「じきふ」と書いてるんですよ。
だから、解けない受験生はたくさんいただろうと思われます。
しかも、選択肢がひどいですよ。
「じきふ」ではなく「しきふ」だったり、
「ふこ」ではなく「へこ」なんて選択肢を作って、
「これらは正解にはならない」と言い張っているあたりが、
せこさがにじみ出ちゃっています。
こんな問題は気にする必要はないと思います。
ただし、最近の青学の特徴として、
史料の出題率が上がっていることは確かなので、
史料問題対策は広くやっておきましょう。