熊襲も知らないの!?

火曜日の河合塾南浦和現役館の授業で、出席カードにこんなメッセージが書いてありました。

学校の先生に、「熊襲も知らないのか!?」と驚かれたのですが、熊襲の出題率ってどうなんですか?

はい、Eランクにかなり近いDランク用語です。ここ5年では、2002年に法政大学社会学部で出題されたのを見ただけです。このため、通常授業の40面ノートには登場しません。ただし、『どこでも史料問題』の宋書倭国伝のところには、一応、「衆夷」の意味として「熊襲」と赤字で書いています。「熊襲」とは古代の南九州に居住したとされる人々のことなのです。

「熊襲」という語句は、選択問題の際に、ダミーの用語として登場することはあっても、直接問われることはめったにありません。どうして出題されないのかは、それなりの理由があるのですが、そこまでは明かさずにおきます。日本史ヲタクや学校の先生方の中には、この単語を覚えて当然と思いこんでいる人が多いでしょうが、実際は違うのです。「たとえ出題率が低くても、覚えるにこしたことないじゃん!」とのたまう人も多いのですが、ダミーとして出されるなら、迷わないためにも知らない方が幸せです。しかも、そういう「大は小をかねる」思想の人に限って、出題されないところはヲタクのくせに、実は意外と出る用語を覚えていない、ピントはずれな人が多いのです。それじゃあ、偏差値60どまりですよ。

ちなみに、このテの認識のズレは、まだまだたくさん存在します。だからこそ、出題されないものは授業で扱わずに生徒の負担を減らし、その一方で意外と出題されるところを確実にGETして、点差をつけることができるのです。おもしろいと思いませんか?通常授業を受講している生徒は、授業のしやべりや40面ノートの価値を十分かみしめてください。