先日のエントリー「甘いコトバか厳しいゲンジツか」で、
早慶大をめざすわりに意識の低い人のことを書きましたが、
その彼からメールが来ました。
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Subject: 気付かせてくれてありがとうございます。
本日テーマ別日本史の後おろかな質問をしたものです。すいませんでした。
今日、帰ってから赤本をほんの少しだけやってみました。そしてへこみました。「一問一答を辞めたぞ!」と思いながらも。ノートも一問一答的に一対一で覚えていたようで、結果うまく思い出せない、先生がいつもすっぱく言っている流れに対する理解と自分の意識がかなり少ないように感じました。
漢字の件に関しても、自分は誤字脱字が目立つのでできるだけ単語は間違えないように見直しをして覚えようとしていたつもりなのですが、先日、漢字を別の人に見てもらったところ固有名詞じゃないところに間違えがあったりしたので(例えば8番ページにある「律令制崩壊とともに衰退」という所の「衰」という漢字に余計な線が一本はいっていたり)固有名詞や「間違えやすいよ」と言われたところ以外の、つながりの文字部分のところも一つ一つ丁寧にチェックして覚えた方がいいのかどうかわからなくなってしまったのですが、それも早慶めざす受験生には甘い考えでした。もっと見直しを徹底させます。
時間との戦いとなりそうですが。これからも厳しく指導をお願いします。
ありがとうございました。
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<石黒>
君の話を聞いていていつも思うのは、
合格最低ラインを知ろうとしてばかりいるんじゃないだろうか?
ってことなのです。
当然その最低ラインを越えればいいわけですが、
初めからそれを狙って受かった人は、
ほとんどいないんじゃないでしょうか?
早慶クラスの入試では、
実際にはそのボーダーに届かなかった人の方が多いわけだし、
また受かった人も、ギリギリ合格の人ももちろんいるでしょうが、
余裕合格の人も多いわけです。
そういうことを冷静に考えることなく、
最小の努力で早慶に受かろうというのは、甘すぎでしょう。
自分の成績が伸びない、
もしくは自分が努力をしないことのいいわけのために、
「○○だけやれば受かりますよね?」と、講師に同意を求めるなら、
それは単なる「逃げ」でしょう。
君にアドバイスをくれる人はいろいろいるかもしれませんが、
本当に君のことを思ってアドバイスしているかどうかは、
考える必要があります。
そのあたりの詳しいことはブログに書くつもりです。
というわけで、書きますね。
講師を何年もやっているとおもしろいことがわかりました。
僕の授業を受けて、厳しい試練を乗り越えて、
難関大に合格した生徒がいます。
その弟・妹たちには、要領よく成績を伸ばす人が多いのです。
同じ家族だと、弟・妹が浪人すると家計を圧迫し、
自分にも悪影響が及ぶ……という事情があるのかもしれません。
とくに同性同士の兄弟(姉妹)の場合、兄・姉は弟・妹に対して、
やさしい甘いコトバはささやかないようで、とくに伸びます。
兄は妹に甘く、姉は弟に甘いというのは世の常です。
一方、友達や先輩はあくまでも他人ですから、
アドバイスをする時には、
どちらかといえば「自慢ゴコロ」が出ちゃいながらの、
アドバイスになりがちだと思います。
要するに他人を思いやるより、自分のすごさをアピールするわけです。
「オレはあんまり勉強しなかったけどね」などと。
世間では、「勉強することはカッコ悪い」と思われているからです。
去年の南浦和のある生徒も、
「見た目はバカそうにしていたいんですよ」と言っていました。
裏ではものすごい勉強量をこなしてましたけどね。
逆に「一生懸命がんばることの方が美しい」という風潮だったら、
自分は受験でいかに苦労したか、を語る人が多いはずです。