ノート覚えきれないまま赤本やっちゃダメですか?

前回のブログの史料問題の答えは、イ・カ です。

アは「此御時ヨリ院宣・庁御下文ヲオモクセラレ」から院政の始まりの史料だとわかります。出典は『神皇正統記』
イは「六波羅殿の……」ってあまりに簡単な『平家物語』
ウは「天地神明ニ誓ヒ,大ニ斯国是……」で、明治元年の五箇条の誓文です。これはまだ知らなかった人も多いでしょうね。頻出史料です。
エは「西京は人家漸くに稀らにして……」から、右京の衰退を記した『池亭記(ちていき)』です。Cランク史料なので『どこでも史料問題』には掲載されていませんが、慶滋保胤の著書です。これを機に覚えてみてください。そして慶滋保胤なら時期がわかりますね?
オは『梅松論』に出てくる後醍醐天皇の有名なセリフです。ワセヨビで「でるとこ日本史プラス」を受講していた人は気づいたでしょうか? ちょうど授業にあわせて、ブログ記事をアップしたのですよ。
カもワセヨビの人ならわかりましたよね? これまたちょうど先週の「でるとこ日本史プラス」で取りあげました。鳥羽上皇の没後を「ムサノ世」としている『愚管抄』です。

史料対策の学習の際には、有名なフレーズを意識するべきだってことがわかると思います。決まったフレーズなので、耳になじませるのがもっとも近道な学習法です。よろしかったら音声CDの付属する『どこでも史料問題−史料編−』をどうぞ。

さて、今日はワセヨビ生からの質問を紹介します。

<Aさん>
赤本の件で質問です。赤本を解くまえに一度ノートを全ページ見て解いているのですがこれだと早稲田の問題などが少し解きやすく感じるし正答率も結構いいです。今現時点ではこうすることで自分としては過去問に抵抗なく順調に取り組めてます。けれども先に赤本をといてそれで覚えていないところをノートで確認する人が自分の周りは多い気がしますどちらの方がいいのでしょうか?

<石黒>
もちろんベストなやり方は、ノート覚えを完成させた上で過去問を解くことです。ノート覚えをしないまま過去問を解き、間違えたところだけをノートで確認するやり方では、覚えきれていないところが見つからない危険性が高いです。そういう人は、過去問ではなく、全時代をカバーしている問題集を何冊も解く必要があります。同じような意味で、A君の「全ページ見て」から解くというのも、「全ページ覚えて」ではないところが心配ではあります。

ただし、ノート覚えどころか、そもそも授業を十分聴いていない人の場合は、過去問を解くことで本当の入試の難しさに触れることが、受験勉強への第一歩なわけです。そういう人なら、ノート覚えができてなくても「解かないよりはマシ」と言えるのです。

どちらにしても、自分のやっている勉強法が合理的でないことに気づきもせず、ただうわべだけ「勉強してるフリ」な人では、難関大合格は厳しいでしょう。早慶上智大生というなら、それくらいの頭の良さは持っていてもらいたいものです。

<Aさん>
やはり自分のは合理的ではなかったみたいですね。気づけて良かったです。過去問をしてノートで復習することで問題の問われ方や問われている部分の細かさは少し分かるようになりました。もっともっとノートを覚えることに重点を置こうと思います。ノートを覚えてからその覚えた所の問題をどんどん解けばいいんですよね?この解釈でよろしいでしょうか?

<石黒>
その通りです。ただし覚えきるのに時間がかかりすぎて、過去問演習に到達しないというのもまずいです。本来、次の授業までに覚えてくるべきです。

<Aさん>
次の授業までにというのはblogに書いてありましたね。こうやってメールですぐに軌道修正できて助かります。石黒さんのやり方に乗っかってるつもりで自分みたいな人なにかとはずれてるんですよね。今回はありがとうございました。

ところで、土曜日に二つプレゼントをいただきました。

「和賀江島」という名前のお菓子です。らくがん好きのスタッフが大喜びしていました。(まだあげるとは言ってないんだが……)。くださったのは、河合塾・早稲田予備校と2年間受講してくれたT君で、今は大手不動産会社に入社したそうで頼もしくなっていました。

そしてこちらは、親鸞聖人750回忌の記念グッズです。本願寺関係の男子が女の子にプレゼントしたものを、僕がもらってしまったという、ちょっと意味深なバッグです。本当にもらってしまって良かったのか……。何度も何度も遠慮したんですけどね。内部に細かいポケットがいくつかついていて、しかも外側のペットボトル用ポケットは保冷機能もついているのです。図書館用バッグに使うと便利そうです。

どうもありがとうございました。