石黒の40面ノートVS東大生のノート!?

一時期「東大生のノート」なるものがはやりましたが、先日、それについて「私もまねして作ってみたんですが、どう思いますか?」という質問を受けました。彼女が作ってもってきたのは、マインドマップとよばれるタイプの雑然としたメモでした。なんでもその東大生が言うには、「ごちゃごちゃになっている方がむしろ覚えられる」とのことなのです。

うーむ……でした。いや、その彼女は通年授業を受けて40面ノートを作っているのに、なぜまた別のノートを作るのでしょう。無力感にうちひしがれました。講師歴20年の受験日本史のプロのアドバイスでも、東大生のアドバイスには負けちゃうのです。
東大生のノートといっても、入試出題情報を持たない人が、非常にかぎられた時間で作ったノートにすぎないのです。当然くっきりとした時期整理ができるわけもありません。唯一の救いだったのは、そのあたりを説明したところ、彼女も納得したことでした。

そしてその時には言えなかったのですが、東大の日本史って私立難関大の問題とは全然違うのです。東大対策に専念したら早稲田の日本史ではボロボロでしょう。そして最大の盲点は、東大生の地アタマが凡人のはるか上だってことです。そういう人はどんなやり方でも覚えてしまえるのですよ。一方、凡人はより定着しやすい方法で勉強しないと、難関大で高得点が取れません。

たぶんその東大生が40面ノートを見たら、こう言うのではないでしょうか。
「おー、これなら覚えやすいなー。でもこれを自分で作るのは時間がかかりすぎてバカだな。オレならもっと短時間で日本史をやりとげられる!」
昔、古い友人の東大生がたった1週間でセンター日本史対策をやりとげたことを思い出します。彼は地理選択から日本史に切り替えたのが年末で、1月に入ってから日本史の勉強をしたのです。まとめは? そんなもの必要ありません。教科書を読むだけで彼は記憶できるのです。

ところで、例の双子のお兄さんから、そのノートについての質問をいただきました。

<Kさん>
ブログでご紹介に預かりました双子の兄のKです。先生のあの記事を見て笑ってしまいました^^講義集を購入してからさっそく、分かりやすい授業と素晴らしい板書に驚いています。だんだん『ハハーン』となってきました!映像で夜中でも先生の講義が見れるのは良いものです。
今回は近代以前の範囲(古代~近世)のノートについての質問させてください。つながる近代史は主に政治が中心のノートづくりになっていますが、先生の予備校での講義を受けられない僕には、ノートにおいては近代以前の政治部分がやはり欠けてしまいます。お勧め頂いた「読むだけ日本史」をまだ買うことは出来ていませんので、その政治史がどのようになっているかは分かりませんが、しかし「つな近」の板書に驚いた僕としては、全ての範囲で、見ることから勉強できるノートを作りたいのです。
外交史経済史(前近代)の講義とプリント、「読むだけ日本史」、ときおり弟のノート(!?)を使って自分なりにノートを作ることをしたいのですが、果たしてそれは出来ますでしょうか?なにか良い方法があったら教えてください。先生の講義を直接受けられない僕がノート作りなどと言って申し訳ありません。

<石黒>
返信遅くなり申しわけありません。『でる日講義』にご満足いただけたようでホッとしております。
さて、そろそろ『読むだけ日本史(1)』は入手できたでしょうか。まずそれを使って基本知識を習得してください。しかし、ノート作成はあまりお勧めしません。なぜなら要領が良くて即決できる人でないと、いろいろ迷い悩む部分が多くて、作るのに相当な時間がかかってしまうからです。作るとしても、経済史と外交史は『でる日講義−経済・外交史(前近代)−』のプリントに頼り、政治史部分だけに絞った方が良いかと思います。また、弟さんの40面ノートも授業を受けていないと、その意味するところが十分に伝わらないように思います。費やす時間を意識しながら、確実に咀嚼できる方法を探ってください。

<Kさん>
メール打てる時間があまりなかったもので、こんな時間にすみません。今日いわゆる日本史Aのテストがあり、つな近のノートを活用させて頂きました!学校で見ていたら「気持ち悪いほどまとまってんな」と友達が…。読むだけ日本史は2冊とも購入しました!定期テストが終わったら読み進もうと思います。ノートについては、作るか否かも含めて自分なりに考えていこうと思います。