受験日本史の用語は、どれが選択問題で出されて、
どれが記述問題まで出てしまうかは、一概に言えません。
思いがけない細かい知識が正誤問題で出されることもしばしばです。
受験生全体をみわたすと、どちらかと言えば、
入試をナメていて、習得レベルが低い人が多いのですが、
細かいところまでやりすぎている人もちらほらいます。
そんな人には、
「もっと効率よくやって、英語に時間をかけな!」
と言いたくなります。
さて、文化史の学習はどの程度まで達しているでしょうか?
先日、こんな質問メールをいただきました。
<Xさん>
先日日本史道場の申し込みをしたXです。予備校での先生の授業は受けていませんが、先生の授業は以前から受けてみたいと思っていたので、参加を申し込みました。(中略)あと、仏像や美術作品はどの程度まで漢字で書けるようになる必要はありますか? 螺鈿紫檀五弦琵琶とか柳鷺群禽図屏風とか正直気が滅入ります・・・。以前注文したでるとこ史料問題のCDも毎日聞いています。史料の方も要点などが分かりやすく、見やすいので重宝しています。市販の史料問題集の良し悪しが分からなかったので、助かりました。
<石黒>
日本史道場のお申し込みありがとうございます。(中略)
美術作品のうち、仏像の名称は別名が多数あるので、
作問者サイドは記述問題では出しにくいという事情があります。
よく出るA・Bランク以外の作品名は、基本的に選択問題です。
一方、絵画・工芸品は意外と記述問題で出ますが、
「螺鈿紫檀五絃琵琶」を書かせることはまずありません。
また「柳鷺群禽図屏風」は、
呉春(松村月溪)の「代表作」と言われるので、
重要だと思ったのかもしれませんね。
しかし、記述どころかそもそもめったに出ない用語なので、
覚える必要すらありません。
呉春は「四条派の祖」と覚えているだけで十分なのです。
文化史用語は出題データを知らないと、
出る・出ないの判別ができないのが困りものですね。
情報が少ない環境にある場合は、
ムダを承知で「大は小を兼ねる」戦法をとらざるを得なくなります。
日本史道場でも文化史を扱いますので情報を吸い取ってください。
<Xさん>
(前略)仏像は別名が多数あるから問題を作りづらいというのは納得しました。それから、柳鷺群禽図屏風は代表作というくらいだから当然覚えるべきだと思っていました。受験生の立場ではなかなかこういった事は分かりませんね。僕は文化史は山川教科書を覚えているのですが、A・Bランク用語をおさえるという意味では「文化史入門」のプリントで大丈夫でしょうか。プリントのサンプルを見ると見たことの無い用語がいくつか載っているので気になります・・・。
<石黒>
文化史のA・Bランク用語だけをおさえたいのであれば、
『文化史入門』は有効です。
プリントでは頻出用語を網羅しています。
ただし、これはあくまでも用語の「まとめ」にすぎないので、
詳しい理解や周辺知識については自分で学習する必要があります。
付属の音声解説CDの中でも、
頻出事項についての最低限の解説しかしておらず、
丁寧な講義は『でる日講義−とことん文化史−』に譲っております。
本気で早稲田を狙うのなら
A・Bランク用語だけではとうてい太刀打ちできませんので、
『文化史入門』だけで満足しないよう願います。
【追記】
『文化史入門』は、現在は販売しておりません。