実際の入試問題を解いたことがない人は、
「こんな風に問題が出るんだろうな……」
と推測しながら勉強をすることになります。
‘天性の勘’でそれが当たっていれば良いのですが、
外れている人の方がはるかに多いのが現実です。
どう外れているのか、3タイプ紹介します。
まず、一番多いのは、
「こんな用語は出ないだろう」という甘く見ている人です。
たとえば通年授業で文化史プリントを配布しているのですが、
そこに書かれている用語について、
「どこまで覚えるべきですか?」
と早慶上智志望者から質問されることがあるのです。
おいおい……そのレベルを受験するなら、もちろん全部ですよ。
なぜ出題されないことがプリントにあるんですか?
河合塾では文化史を説明する時間が取れないため口ごもりがちですが、
文化史をおろそかにして早慶上智に受かることはありません。
上智の文化史問題の難しさなんて尋常じゃないんですから。
この記事を読んでみたらぶっ飛ぶと思います。
早慶上智をナメている人を見ると、
「そんなに英・国ができるんだ?」と不思議になります。
でもそれだったら日本史に時間かけられると思うんですけどね。
そして次に多いのは、的外れな問題予想をする人です。
たとえば、美術作品が写真で問われると思っている人がいます。
そりゃ写真問題もありますけど、大半は文章による出題ですよ。
写真を見ながら学習することを勧めているのは、
その方が記憶に残りやすいからです。
言葉だけのラジオCMよりも、映像つきのテレビCMの方が、
宣伝効果は高いですよね?
ただ、それを言うなら音声による記憶の効果を、
受験勉強で利用しないことが信じられませんが。
話がそれました。
美術作品で一番肝心なのは、
名前を覚えるとともに各作品の特徴をつかむことです。
でも、そういう行間的な説明は、プリントには書いていません。
その説明をするのが授業なのですが、すみません、
河合塾ではその時間が取れないんです。
念のため伝えると、細かい字で書かれたプリントは、
ABランクの用語を説明しているだけですよ。
そして、こんな人も多いです。
文化史プリントの用語をただ暗記すればいいと思っている人です。
上記の人たちにくらべればまだマシかもしれませんが、
単純暗記では解けない問題があるんですよ。
たとえば、仏教とか思想とかって、
それぞれどういう考えなのかを理解していなかったら解けませんよ。
文化史で一番難しいのがこの分野です。
というわけで『でる日講義−とことん文化史−』を作ったのですが、
予算的に厳しいと言う人がいるかもしれませんね。
その場合はこの記事をお読みください。
ただし時間的・労力的に遠回りすることになるので、
十分な時間を確保した上で、
自分を甘やかさない強い意志で挑んでください。