法政大の正誤問題

正誤問題が要領よくラクに解けるようになるには、良い問題集が不可欠です。誤文の誤り箇所を指摘してくれない問題集なんて論外です。かといって何でもかんでも説明してあれば良いわけでもありません。めったに問われない些末な誤文だったら、逆に「これは覚える必要はありません」と書いてほしくないですか? どこの問題集とは言えませんが、よけいな辞書的情報を書き連ねているものがあるんですよ。それってやっぱりゴミ情報ですよね? 文字による解説だとそうしたニュアンスが伝わりにくいかと思って、derutoko.comでは音声解説をたっぷり付けた問題集を作ったことがあります。『どこでも史料問題-問題編-』です。

先日、2017年の法政大の正誤問題について質問がありました。
受験生の方は、一度解いてみてからその先をお読みください。

問 1947年制定の教育基本法,学校教育法に関して,正しい記述はどれか。以下のア~オのなかから一つ選びなさい,
ア 女性が正規の学校教員になれるようになった。
イ 義務教育年限を高等小学校までの8年から中学校までの9年に延長した。
ウ 教育委員が公選制から任命制になった。
エ 高校女子について家庭科が必修とされた。
オ 男女共学が原則とされた。

<Nさん>
河合塾藤沢館で石黒先生の授業を受けていたNと申します。
2017年の法政大学の国際文化学部の問題で、腑に落ちない部分があったので質問させていただきます。(赤本の解説に載ってませんでした。)

教育基本法、学校教育法の関連の問題で、「義務教育年限を高等小学校までの8年から中学校までの9年間に延長した。」という選択肢(誤答)があったのですが、義務教育は国民学校令では8年、学校教育法では9年なはずです。
はっきりとした誤答の原因がわかっていないのでもやもやしています。

稚拙な質問ではございますが、ご回答の方よろしくお願いします。

<石黒>
まず「誤答」じゃなくて「誤文」ですよね?
この問題は「オ 男女共学が原則とされた。」が非常に短い文で、誤り箇所を見つけようがありません。これが正文だと簡単に判断できるはずです。
いっぽう「イ 義務教育年限を高等小学校までの8年から中学校までの9年に延長した。」は「8年から中学校までの9年に延長」は正しいので、「高等小学校までの」というところに誤りがあるかもしれないと考えるべきです。国民学校令によって、それまでの尋常小学校と高等小学校が一つになって国民学校と変わってますから、やはり誤文です。ちなみに「国民学校」は頻出用語です。

どこでも史料問題