大阪府立弥生文化博物館は文章だけの説明をへらし、具体的にわかる展示をこころがけていました。今日はそうした例を二つ紹介します。
奴国王が光武帝からもらった金印は「漢委奴国王」と記されていることが有名です。「倭」と書いちゃいけないことがポイントですね。ところであの金印、なぜ文字部分がへこんでいるのかわかりますか? 現代のハンコは文字部分が突き出ている「陽刻」であるのに対し、金印はその逆で「陰刻」です。
実は使い方が今とはちがっていたからです。当時はこんなふうに使っていました。
まず上のような木や竹を糸でつなげたものに手紙を書きます。それをくるくる巻いてひもでしばり結び目を解かれないように粘土で覆い、そこに印を押しあてます。この粘土が壊されてなければ手紙が誰にも読まれていない証しになるというわけです。
押しあてた印が陰刻なので、粘土側の文字は浮き立っています。これはなかなかカッコイイですね。
次に紡錘車(ぼうすいしゃ)についてです。これは石や土でつくった穴のあいた円盤で、糸をつくるのに使います。授業ではその使い方を説明するのが難しくて困っていたのですが、この博物館では人形と映像で説明していました。
流されていた映像を撮ったものなので質が悪くてすみません。
一度これで糸作りを体験してみたいものです。
ここまでで大阪をあとにし奈良県に入りました。