2016年立教大全学部の質問

昨日につづいて過去問の質問にお答えしました。まずこちらの問題を解いてみてください。

工部省に関する記述として正しいのはどれか。次のa~dから1つ選び,その記号をマークせよ。
a.この省が中心となって新橋・横浜間の鉄道を開通させた
b.この省に事務局をおいて第1回内国勧業博覧会が開催された
c.この省によって富岡製糸場をはじめとする製糸や紡績の官営模範工場が作られた
d.この省は1873年,大久保利通によって設立された

<Nさん>
こんにちは。あざみ野館でお世話になりましたNです。直前期にすみませんが、赤本でわからないところがあったので質問させてください。

立教全学部(2016)の工部省について正しいものを選ぶ問題です。(編注:上記の問題)

解答はaで、解説には
「b,c,dの「この省」とは、工部省ではなく内務省のことである。なお、bの富岡製糸場は内務省設置以前に設立されている(1872年)。」
と書かれていました。
私はcが正しいと思ったのでcを選びました。
確かにaの鉄道開通は1872年なので内務省ではないと思いますが、cが工部省でない理由がわかりません。
また、解説の「“bの”富岡製糸場」というのは私の打ち間違いではないので明らかにミスですよね?

直前期にこんな質問してすみません。赤本のミスという可能性も考えましたが、それを自分で決めつけるのは危険だと思ったので質問させていただきました。よろしくお願いします。

<石黒>
これは立教大の特徴を知っていないと悩まされる問題でしたね。赤本の解答が正しいです。富岡製糸場の立案・実施を担当したのは、大蔵省の渋沢栄一と民部省(のち大蔵省)の尾高惇忠という人でした。もっともこのことを覚える必要はありません。それよりも鉄道建設を工部省が担当したことが重要です。とくに立教大では過去に何度も出題されており(どの大学よりも立教大での出題回数が多いです)、立教大あるある問題だったのです。このため通常授業や冬期講習の「発展」の授業でお伝えしていました。

<Nさん>
そうだったんですか!確かに冬期講習発展の授業メモを見返したら工部省のところに「鉄道事業推進」と書いてありました。教えてくださりありがとうございました。

通常授業の時間数が少なめな河合塾では、講習でかなりの情報を追加しています。そこを吸収しないと高得点は得られません。しっかり復習して本番に挑みましょう。

でる日講義-経済・外交史(近現代)-