カンタンな質問とムズカシイ質問

受験生は入試の出題率を知らないため、おもいっきり基本事項を無邪気に質問するいっぽう、逆に入試ではまったく必要ないことを質問したりします。つまり、学校などで聞かされた細かい知識ですね。なんでもかんでも覚えられるような脳みそを持っているなら良いのですが、凡人には記憶量に限界があります。入試に出る知識だけでも十分すぎるほどに膨大ですから、まずそちらを優先して覚えていくべきでしょう。出題率に比例して取捨選択していくべきです。

先日、Uさんという方から質問がありました。

<Uさん>
併願校を改めて考えています。
中央大学の特徴や、対策すべきことを教えてください!
第一志望が早稲田大学で、早稲田大学は学部問わず様々な年代や学部の過去問を解いています。
立教大学はまだ一年分しか解けていないのですが、並び替えや単語の記述が目立つ気がしました。また、時々なにこれ?という問題を見つけます。たとえば、「円空」と答えさせる問題がありました。これは知っておくべき単語ですか?
立教の特徴や注意点などもあれば教えてください。

<石黒>
中央大にしても立教大にしても、ふつうにノート学習をしてください。早稲田を第一志望としているということは、ノート・プリントにある用語はすべて覚え、すべて正解するのが基本ですから、それで中央大・立教大対策はおのずとできてしまいます。

円空は文化史プリントに出てきます。見知らぬ語句があったら、derutoko.comサイトの40面ノート検索を使って、ノートのどこにあるかお調べください。そもそも文化史を説明した細かい字のプリントを読んでいないのではありませんか? あれは基本ですよ?

<Uさん>
ノート覚えの反復回数がまだ少ないのだと思います。ノート覚えをすることに精一杯で文化史プリントが手薄でした。
文化史プリントの内容は美術作品などは時代が把握を意識していこうと思います。

あと前回の授業(36番ページ) で、質問があります!
せっかく華北分離工作で満州と蒋介石の支配地の間に空白地(華北)を作って、蒋介石と日本の間のもめごとをなくそうとしたのに、その華北を日本が乗っ取ろうとしてしまったら、空白地帯を作った意味がなくなってしまうのではないのですか?また、実際に日本は華北地域を乗っ取ることはできたのですか?
教えてくださいm(>__<)m <石黒> 河合塾では文化史の授業をおこなっていないため勘違いしがちでしょうが、ふつうに文化史も取り組んでください。 さて、もう一つのご質問ですが、華北分離工作というのは日本が華北地域を乗っ取ろうという作戦ですよ。ということは「もめないための空白地帯をつくる」というのはタテマエです。そこを乗っ取ることこそ本命です。 日本は華北地域に冀東地区防共自治政府を作らせましたが、その後、中国側の抗日運動が高まり、最終的には華北分離工作は失敗します。もっとも失敗の話までは出題されません。

でる日講義-とことん文化史-