明治大の全学部入試では、解答に迷う問題が出題されていました。複数の受験生から問い合わせがあったので紹介します。
<Cさん>
昨日、明治大学の全学部日程入試を受けてきました。そのなかで「大日本帝国憲法に付随して公布された法令として正しいものを選べ。」とのことで
A.町村制
B.華族令
C.皇室典範
D.民法
という選択肢でした。まずAとBは年代から消去しました。普通に考えると皇室典範?と思ったのですが、皇室典範は公布されなかったということを思いだし、じゃあ民法?でも民法は1890年…と、ここで私は大きなミスをしてしまい、公布と施行が混ざって、大日本帝国憲法の公布は1889年なのに、1890年の民法という答えを出してしまいました。でも、皇室典範が同時に公布されたというのは疑問で、先生にメールしました。
もうひとつ、ポツダム宣言受諾をめぐる動向についての四択問題で、
B.8月14日の御前会議後、「本土決戦」を叫ぶ一部の軍人たちによってクーデターが試みられたが、15日には鎮圧された。
C.「終戦の詔書」は8月15日付で公布された。
の二つで迷ってしまい、Cを選んだのですが解答速報ではBが答えでした。この二つの選択肢の情報は知ってて当然のことだったのでしょうか?
私の知識不足か、勘違いかもしれませんがモヤモヤするのでメールしました。よろしくお願いします。
<石黒>
1問目は、大学側は皇室典範を正解として出題していると思います。しかし、皇室典範は公布されていないので、「公布」という条件には合いません。このため、作問ミスと言えます。多くの大学は、皇室典範を「制定」したと出題するのに、明治大学は1996年にも「公布」したと出題していました。
次にポツダム宣言受諾の問題です。難問でした。正解(正文)はBです。授業では話す時と話さない時がありますが、終戦の詔書は8月14日に天皇が録音し、翌日に放送したのです。このため「8月15日付」という部分が誤りなのです。これは知っておいた方がいいでしょうね。この問題を正解できたのは、クーデターのことを知っていた人だけでしょう。めったに出題されない話です。
昨年よりは難しくなっていたようですね。気持ちを切り換えて、最後の追いこみに励みましょう。(後略)
<Cさん>
ありがとうございます。おかしいけれど、大学側の意図を読んで一応皇室典範にしておくべきでした。民法としてしまったのは反省です。
そうなんですね!前もって録音したということを、先生に言われて思い出しました。これを受験会場で思い出せていたら、もう少し絞れたかもしれません。(*_*)
丁寧な返信ありがとうございました!最後まで頑張ります。また何かあったら相談させてください。
追記:「皇室典範」の問題については、その後、大学側から「全員正解とする」と発表されました。
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