卒業生からの就活相談

今日はちょっとめずらしい相談メールを紹介します。

<Aさん>
こんにちは。2010年度に早稲田大学に入学しましたAです。覚えていますか(笑)?たった今は、冬期講習やらでお忙しいと思いますが、先生はどうお過ごしですか。今でも初対面の人と話の種として、時々受験の話をするのですが、日本史の話題になると、先生のブログを見ていたという人がかなりいます。先生の認知度に改めて驚いたと同時に恵まれていたと思います。今日メールを送らせて頂いたのは、Xさんに少々お聞きしたいことがあったからです。ちょうど一年くらい前に、先生がXさんが朝日新聞に入社したとおっしゃっていたと思います。Xさんにどうやって面接官の気を引いたのか、どうやって面接官の関心を見つけたのか、厚かましいと思いますが、教えていただけませんか。私もマスコミに行きたいと思っているんですが、なかなかマスコミに進んだ人と巡り会えず、齷齪しています。またマスコミに進みたいと思っていても、受験のようにペーパーテストのようなシンプルな方法では進めません。具体的な対策を早いうちからどうしても知りたいので、もしよければ教えていただけるよう、お願いしていただけませんか。直前期でお忙しいと思いますが、どうかお願いします。

<石黒>
A君、もちろん覚えていますよ。
さて、Xさんですが、授業では「マスコミ」と言っただけです。
しかも新聞社ではなく、テレビ系です。
そして、直接話を聞いたのですが、
数少ない入社した人たちの多くはコネ入社だったそうで、
コネなし入社を狙うのは大変すぎだなという印象を受けました。
そして面接については、面接官の年齢層から好みそうな話題を推測して、
その話題を振ったらうまくいったとのことです。
これは運もあるでしょうが、
学生時代にすでに
いろんな出版社に自分から飛び込んでいって原稿を書き、
雑誌の連載までもっていて、
大人とのつきあいに慣れていたからできたことなのでしょう。
そういう意味では大学時代の経験が物を言うというわけです。
たぶん大学にはあまり行ってなかったのだと思います。
とりあえずできることは、
マスコミに就職した早稲田の先輩を捜し出して訪問することでしょう。
そして、勉強というより、もっと別の経験をたくさんするべきでしょう。
普通の学生ではやらないようなことをして、
対人交渉能力が高くなったら強みになるでしょうね。
ある意味早稲田に受かるより大変なことだと思います。
いろいろやってみてください。

<Aさん>
ありがとうございます。とても参考になりました。やはりまだまだ自分は甘かったなと思います。過ぎてしまった7ヶ月が少し惜しい気がします。受験勉強同様、時間を大切にして、学校にあまり行かなくなるくらい生活の時間を削り、積極的に大学生しようと思います。本当に参考になりました。(後略)

最近の大学生は、まじめに大学に通う学生が多くて驚いています。
もちろん苦労して大学に入ったのですから、通って当然です。
しかも高い学費を払ってくれている人のことを思えば、
大学に行ったら、勉強するのがスジでしょう。
でも、本当に真の目的は、
次なるステージに上がるための4年間ですよね?
「自分がどこに進むべきかわからないから、
 とりあえず大学で勉強する」
というのはアリですが、普通に学問を勉強していれば、
探しているものが見つかるわけでもありません。
どちらかといえば、勉強以外のさまざまな経験のなかで、
それが見つかるように思います。

そう考えると、大学受験の勉強はマニュアルが確立していますから、
それを効率よくこなせばいいだけでラクなんです。
もっともそれをドライに割り切れないのが、
十代の悩ましいところでしょう。
精神年齢をみずから上げようとする気持ちが大切です。

ちなみに上記のA君は現役・高卒と2年間のおつきあいでしたが、
2年目にはだいぶ成長していたように思いました。
そして、また新たな壁にぶつかって、
また一段階成長できるのではないかと思っています。