効果的な史料の勉強法

木曜日、藤沢での授業後に
史料問題はいつからやるべきかという質問が、何人かからありました。
答えは、授業と同時進行がベスト、です。

基本的には、授業内容を理解してノートを覚えたら、
問題集の既習範囲を解いて演習力を鍛えます。
しかし、その後に史料問題集にあたると、
別の角度からの問題が存在することに気づけるからです。
チェックすべき史料はたくさんありますよ。
たとえば、ワセヨビでは70分間のプラスアルファ講座があるのですが、
今週は、70分かかっても、
2番・3番ページの史料のチェックが終わりきりませんでした。
ここは弥生時代から推古朝までの範囲です。
「そんなに話す内容があるのかよ!?」って驚きませんか?
とりたてて余談はしてませんよ。

じゃあ、ちょっとだけ具体例を挙げてみましょう。
『どこでも史料問題』では、
磐井の乱を史料レベルB(★★☆)として、
こんなふうに掲載しています。

地方の反乱と屯倉の設置


波線は、穴埋め問題で出題があったマイナー語句です。
四角で囲ってあるのは、空欄穴埋めに備えて当然な語句で、
赤シートでチェックできるように、オレンジ色になっています。

さて、この「火」は肥前の「肥」で、
肥前国・肥後国あたりを指しています。
「豊」のほうは豊前国・豊後国あたりを指していて、
磐井はこのあたりに勢力を張っていたということです。
こういったことは、磐井の乱を理解するのに
大いに役立つことでしょう。
さすがに、通常授業ではここまでの説明はしていませんが、
「ひのくに・とよのくに」という史料独特の言い方で
頭に残してもらいたい部分なのです。
磐井の乱以外にも、史料の中でこそ覚えるべき話があります。
これは手前味噌ですが、『どこでも史料問題−史料編−』だったら、
音声CDがついているため、
すき間の時間にCDを流して史料文に触れることで、
記憶定着力が高まります。
そして、どうせそれをやるなら、
早い時期から始めて、何度も耳に入れておいた方がいいですよね。
実際、今年の早稲田大社会学部で、
この史料の空欄問題がたくさん出ましたが、
derutoko.com の音声教材でなじんでいた人から、
「おかげで正解できました」と聞きました。
つい先日、金曜日のワセヨビ西船校でのことです。

一方、正誤問題も
授業の進度に合わせて取り組んだほうがいいでしょう。
ただし正誤問題は、
選択肢の中に未習範囲の内容が含まれていたり、
たとえ既習範囲の内容を扱っている問題であっても、
未習範囲の語句との入れ替えで誤文が作られていて、
問題が解けない場合があります。
このため正誤問題に関しては、
古代が終わったところで解く、とか
中世が終わったところで解く、といった具合に、
長いサイクルでやっていくと良いでしょう。
ちなみに、日本史が苦手な人は
より早めに正誤問題に取り組むべきでしょう。
なぜなら、どれほどの細かさで理解する必要があるかわからず、
入試レベルよりはるか低い理解度の人がいるからです。
数学の二次方程式ができたくらいでは、
大学入試レベルには達していないんですよ。
受験日本史をイマイチつかみきれていない人は、
少しだけでも解いてみるといいと思います。

明日は、その正誤問題についての質問メールを紹介します。