日本史は夏までに一通り終わらせろ?

年度初めの時期によくある質問に、こんなのがあります。
「全部の範囲が終わるのはいつですか?」
答えはもちろん「12月」です。
こういう質問をする人は何を心配しているのでしょう。
さすがに全範囲が終わらないとは思っていないでしょうね。
だって「40面、40面」としきりに言っているのですから。
その全部が終わらないなんてことはありえません。
たぶんこんなアドバイスを聞いて不安になっているのでしょう。

「日本史は夏までに一通り終わらせるべきだ」

このアドバイスの理由ってなんだと思います?
独学受験生は自分に甘く、習得レベルが低いから、
一周やらせて問題を解かせ、入試の厳しさを実感させるためですよ。
その反省の上で二周目をやって合格レベルに到達しろ、と。
要するに生徒を信用していない、上から目線のアドバイスなわけです。
でも、僕の通年授業を受ける人には要らないアドバイスです。
なぜなら、入試の厳しさを出題データで示しながら、
講義をしていくんですから。
遠回りに二度手間学習よりも、合理的じゃないですか。

ところで、この通史を2周しろというアドバイスをする人は、
1周したところで過去問に取り組むことを想定していると思います。
いやいや、そんな1周するまで待たなくても、
習得した範囲の過去問を、
大問単位でつまみ食いしていけばいいんですよ。
過去問は1年分まとめてやらなきゃいけないものではありません。
むしろ5月や6月の段階から解き始めて、
厳しさを肌身で知るべきなのです。

もっと最悪な考えの人もいますね。
一通り授業が終わってから本気で復習しようと考えている人です。
歴史の流れをたどろうというのに、
前回の授業内容が習得できていなかったら、
その先の話を聞いても理解できるわけありません。
日本史は単純暗記科目じゃないんですよ?
毎週、授業の復習を確実にやってきてください。
それだけでもものすごい大変な作業ですから。
独学で一通りやっても、ポイントをはずして理解してしまったら、
ムダに終わるだけでなく、
正しく理解し直すのに大変苦労するのです。
このハードルは高卒生が伸び悩む原因の一つと言えるほどです。

じゃあ、4月下旬始まりの予備校の人は、
今、何をするべきかという話は、先日紹介したばかりですね。
河合塾の現役生はこちら
早稲田予備校の高卒生はこちらを読んでください。
このブログには、受験生からの定番質問の答えが、
かなり書き尽くしてあります。
気になる疑問は、ブログ内を検索して読むことをお勧めします。

そういえば、以前に1年間だけ勤めた某予備校は、
1年間に2周するカリキュラムでした。
かといって授業時間数が他の予備校の2倍あるわけでもありません。
当然、授業は粗くなります。
どうやって授業をしているのかと伺ったところ、
なんと、テキストにアンダーラインを引かせると言うのです。
しかも用語集の数字で重要度を色分けするとも言ってました。
さすがにペエペエだったので、
「用語集数字って、出題率に比例しませんよね?」
などと喧嘩を売ることはしませんでしたが。
内心かなり苦笑しました。
僕もさすがにその予備校ではノートを作る授業はできず、
1年で修行を終えたことにして卒業させていただきました。