わしづかむことの大切さがわかる問題

よく授業でもこのブログでも、
「わしづかんで覚えよう!」と呼びかけています。
今日は、これがどういうことなのかを具体的にお話しします。

まず、次の問題を解いてください。
2009年上智大(外・法)の問題です。

問 大宝律令で定められた二官八省について、その説明として誤っているものを次から1つ選びなさい。
(1)神祇官・太政官、中務省・式部省・治部省・民部省・兵部省・刑部省・大蔵省・宮内省からなる。
(2)中務省は詔・勅の作成などを担い、式部省は文官の人事などを職掌とする。
(3)治部省は外交や僧尼の身分などを管轄し、民部省は戸籍・税制・田畑を掌る。
(4)兵部省は武官の人事などを担い、刑部省は役人の監察を職掌とする。
(5)大蔵省は財務・物価の管理などを担い、宮内省は宮内の事務などを職掌とする。

各省が何を管轄しているかを覚えていないとツライですね。
ここをめんどうに思っている受験生はかなり多いと思います。
実際には八省の職掌を完全に覚えている必要はないのですが、
どれをどう覚えておけばいいのかは、
ここでは伏せさせていただきます。
それこそ‘ポイント’があるわけです。

そして正解は(4)です。

解き方としては、
刑部省が刑罰・裁判を管掌していたことを覚えておいて、
「役人の監察を職掌とする」を誤りと判別するのが、
正攻法かもしれません。
しかし、一方でこんな解き方もあります。
二官八省が問題になっていることを見た瞬間に、
二官八省一台五衛府の全体を思い起こすのです。
そうすると「役人の監察」を見た瞬間に、
「それ、弾正台だろ」とツッコミを入れられます。
ああ、そのためには、弾正台が意外と出ることを、
知っていなければなりませんね。
授業や参考書では、もちろんそのことを伝えています。

ポイントをつかんで理解して、
さらに大きくわしづかんで覚えるようにすると、
確実に正解率は高まりますよ。