ポイントをハズすと役に立たないこと(2)

今日はまず、問題を解いてみてください。

問 1941年4月から日本の駐米大使として,アメリカの国務長官との間で交渉を行った人物名として,正しいものを次から1つ選択しなさい。
A 吉田茂  B 野村吉三郎  C 来栖三郎  D 幣原喜重郎
E 石井菊次郎

この問題について地方のかたから質問がありました。

<Oさん>
お忙しい中すいません、質問があります。今、併願校の明治大学の過去問をやっているのですが、1941年4月から日本の駐米大使としてアメリカの国務長官と交渉した人物は?という問題がありました。来栖三郎が答えだと思っていたのですが、赤本の答えは、野村吉三郎でした。でも、野村吉三郎は、1940年に駐米大使になると用語集には、書かれていて時期が合わないので、答えは、野村吉三郎ではないと思うのですがどうなのでしょうか?

<石黒>
問題文を誤解していますね。
問題では、1941年4月から交渉した人物が問われているのです。
1941年4月に駐米大使に「就任」した人物という意味ではありません。
日米交渉開始の時期はつかんでいるでしょうか?
また、来栖三郎が日米交渉の補佐をしたのは、
東条英機内閣の時だということがポイントです。
その時期をつかんでいれば、
これまた来栖三郎という解答にならないはずです。

時期をつかむと言っても、
何世紀かだけで十分なできごともあれば、
逆に細かく日付まで必要なできごともあります。
ときどき学校で配布されたプリントなどで、
なんでもかんでも日付が書いてあるものを見かけます。
あれは、日付まで覚えろと言っているのでしょうか……?
それとも、いちいち「これは出る、これは出ない」
と言っているのでしょうか……?
不思議でなりません。