昨日は「入試の出題データを綿密にカバーする講義をしている」
とお話しました。
生授業にそれだけ気を遣っているのですから、
映像教材では、当然それ以上の精密さになります。
説明しそびれたり、説明が下手だったりすると、
厳しくNGにしてしまいます。
テープを回さず授業の予行をすることもしばしばでした。
さて、そんな精密さが、実際の入試問題にどう生きているかを、
具体的に紹介してみたいと思います。
今日は、発売したばかりの、
『でる日講義−経済・外交史(近現代)−』からお送りします。
この教材には、予備校での授業とは違って、
前近代の貨幣史と交通史が収録されています。
その映像の一部をごらんください。
「兵庫北関入船納帳」は予備校の授業でもめったに扱わないため、
ちょっと説明がかみがちになってますね。すみません。
ちなみに、教科書だったら、
山川出版の『詳説日本史』の脚注にこうあります。
「『兵庫北関入船納帳』などによると,1445(文安2)年の1年間に瀬戸内海の各港から,さまざまな荷を積んで兵庫港に出入りした船の数は,2700艘以上におよんだ。」
いかがでしょうか。
この文だけで何がポイントなのかわかる人がいたら天才です。
そして最新の入試問題では、こんな出題がありました。
2009年学習院大学(法学部) 大問1
次の文章を読み,〔 〕内で適当と判断する語句を選び,その符号を解答欄にマークしなさい。
(中略)
のち,1445年1月から翌年1月にかけて摂津国の(6)〔(イ) 堺 (ロ) 大津 (ハ) 大坂 (ニ) 兵庫 (ホ) 神崎〕に入港した船から関税を徴収した帳簿が伝わっており,瀬戸内の各地から入港した2700隻を超える商船それぞれについて,所属船籍地や貨物のあらましを知ることができる。
解けますね。
細かそうな話ですが、こんな問題なら正解したいと思いませんか?
映像教材を使ってくださっているみなさんは、
ぜひ、このレベルまで吸収しきってください。
ところで、昨日のエントリーを書きながら思ったことがあります。
河合塾では授業時間数が少ないため、
かなりハイスピードな授業を展開しているのです。
このため、頭の回転が速い人や、
予習をばっちりしてきている人には理解できても、
そうでない人には、話が速すぎて理解できないのかもしれません。
冬期講習はさらに高速授業になるのですが……心配になります。
一方、映像教材だったらいくらでも見直せますよ。
「総合日本史演習(発展)」の抽選に漏れた人は、それを逆手にとって、
『でる日講義−経済・外交史(近現代)−』を利用してみませんか?
並ばなくても最前列で受講できるなんて、
予備校じゃ考えられないことですし。
映像教材ならではの利点も多いのです。