入試問題は用語集から作られているに違いない?

先日、ある出版社を通じて僕の著書についての質問がありました。
詳しくは書けないのですが、誤文を選ばせる正誤問題で、
ダミーの正文を一つ取り上げて、
「用語集にこんな記述はないので、これも間違いではないでしょうか」
というのです。
かなり驚かされました。
用語集に歴史事実がすべて書いてあるわけないじゃないですか。
しかも、この質問者は受験生じゃなくて、
地方の高校の先生だというんですよ!
用語集を調べて終わりじゃなくて、
もっと分厚い事典で調べましょうよ。
高校生じゃないんですから……。

いや、もしかすると、
「入試問題は用語集や教科書だけから作られている」
と勘違いしているのかもしれませんね。

 そんなの幻想以外の何ものでもありません。

このブログを読んでいる方はもうおわかりでしょうが、
入試では教科書や用語集にない知識も普通によく出題されています。
それは早慶上智にかぎった話ではありません。

オトナである先生ですらそんな幻想を抱いてしまうのですから、
まだコドモの受験生だったら勘違いして当然かもしれません。
それとも、この先生がたまたま、
いわゆる低学歴な先生だったのでしょうか?
そういえば「先生ってバカじゃん」と言っていた人もいましたね。
確かにこれならバカにされてもしかたありません。

大学受験を本気で考えているなら、入試問題を見た方がいいです。

藤沢で「テーマ短期講座」があった直後にも、
「青学や明治を受けるんですけど、文化史で、
 ここはやらなくていいってところはありますか?」
という質問を受けました。
彼としては、
「早慶上智は受けないから、省けるところがあるんじゃないか?」
と思ったのでしょうが、どう考えても甘すぎです。
文化史をさぼってMARCHに受かるなんて、
かわりに驚異的な英語力が必要ですよ?