早稲田では正誤問題で解答個数がはっきりしない問題が出題されます。
消去法が使えないのはもちろん、
どのレベルまでツッコミを入れるべきか相当悩まされます。
それと比較すれば、商学部などの2つ選べ問題などは、
ずっとラクなわけです。
といっても、世間ではそれを難問と感じている人が多いわけですが。
1カ月近く前にこんな質問をいただいていました。
<Hさん>
こんにちは!藤沢でお世話になっています!赤本についての質問があるのですが、91年の早稲田-教育(文)の問題で
(1)問3古墳時代の社会について正しくないものはどれか。(正解は一つとは限らない。)
ア 古墳は、特定の個人を葬ることを目的とした墳丘をもつ墓である。
イ 古墳はその形式によって、普通、前・中・後の3期に区別される。
ウ 前期の古墳の多くは、墳丘は葺石によっておおわれ、その周囲は円筒埴輪や形象埴輪を並べるのが普通であった。
エ 中期の古墳の代表的な副葬品は、鏡・玉・剣などであった。
オ 後期の古墳は、遺体をおさめる玄室と外界とを羨道でつなぐ横穴式石室が各地に普及した。
とあって私はウ、エにしたのですが、解答はイ、エでした。形象埴輪は中期だからだめだと思ったのですが…これはどうなのでしょうか…?お忙しい所すいませんがよろしくお願いします。
<石黒>
返信がかなり遅くなってしまい申しわけありません。
この問題はツッコミどころが満載で、
とてもひとくちには説明できません。
そもそも作問者が言うところの
「普通」という基準がはっきりしません。
たとえば、古墳時代は3期に区分することが多いですが、
5期以上に区分する説もあります。
赤本は「形式によって」というのを誤文と判別していますね。
たしかに円墳は前期にも後期にもありますから、
形で区分しているわけではありませんが、
じゃあ何によって3期に区分しているかというと、
様々なことから区分していてひとくちには言えないわけです。
それを作問者が大雑把に正文のつもりで、
「形式によって区分」と書いたのかもしれないのです。
ちなみに形象埴輪については、
人物埴輪は5世紀にならないと登場しないのですが、
家形埴輪などは4世紀後半から飾られています。
このため、前期古墳に円筒埴輪や形象埴輪を並べるのが、
「普通」かどうかというと、また微妙なのです。
この大問には他に2つの正誤問題があったので、
そちらを正解することをめざしましょう。
この問題にこれ以上深く関わることは、
あまり意味がないと思います。
ちなみに旺文社ではエのみを正解としていました。
それにしても91年とはまたずいぶん古いところまでやりましたね。
他学部はどこまで解いたのかわかりませんが、
過去問はもう十分なのではないでしょうか。
ノート覚えに全力を注いでください。
復元のペースを上げていってくださいね。
現役生でここまで過去問を解いているのはたいしたものです。
しかし、かといって過去問を解けば受かるわけでもありません。
やるべきことは、レベルの高い総復習です。
そもそも3年程度の過去問で出題傾向がわかるわけありませんし。
赤本の解説を書いている人が、
古い過去問を解いて傾向をつかんでいるともかぎらないのです。
立教大の赤本の解説などは、過去に何度も出されている用語を、
「難問」と評してしまっていて大笑いしました。
そもそも解答が間違っていることも多々ありますし。
そこに勝ち目があるからこそ、
『MARCH学習院あるあるチェック』を出しているのです。
授業や映像教材の中でいろんな大学名を言っているのは、
その大学で出題される可能性があるからです。
といっても聴きそびれたものは多いでしょう。
『MARCH学習院あるあるチェック』では、
大学別アドバイスCDが付属するので、それをいっきに習得できます。
よろしかったらぜひ、どうぞ。