入試問題は山川の教科書から作られてる?

教科書に掲載されている図版は、
サイズがコンパクトにできているところが、最大の長所です。
面積が小さいのでノートに貼りやすいのです。
最近の教科書はカラーになったので、
さらに良くなったと思っていました。
しかし、すべてが良くなったわけではありません。
最近驚かされたのは、山川出版の『詳説日本史B』にある、
戦後の占領機構の図でした。
極東委員会や対日理事会の構成国名が消えてなくなり、
かわって、米国政府の中身が詳しく書かれていたのです。

・国務・陸軍・海軍3省調整委員会
・国務省占領地区担当国務次官補
・統合参謀本部陸軍省民政局

まさかこんな用語を覚える人はいないでしょうが、
他にも入試に出ない用語が増えて、
必要な用語が削られていたのです。
これではノートに貼る価値はありません。
がっかりです。

予備校のテキストに図版はないのか?
と思う方がいらっしゃるかもしれませんね。
もちろん載っています。
でも、サイズがでかいのですよ。
入試に沿っているとは言えない場合も多々あります。
困った事態になりました。

もっとも、図版ではなく本文中に、
入試とズレている部分がいくつもあります。
先日生徒に指摘されてびっくりしたのは、
これまた山川出版の教科書にあった「ジーメンス事件」です。
「シーメンス」ではなく「ジーメンス」と、
今風の表現に変わっていたのです。
たしかに「ジーメンス」で出題する大学も出てきていますが、
一般的にはまだまだ「シーメンス」です。
変な話、どちらで出題しているかで、
その作問者が山川をモトにしているかどうかが、
推測できてしまいますね。

他にも似たようなネタはたくさんあるのですが、
今日はこれくらいにしておきます。

受験生はどうしても教科書を尊重するようです。
でもそれは、合格への最短コースではないってことです。